内容説明
初の国産ボブスレーでオリンピック出場をめざし、TVや新聞などでも注目を集める「下町ボブスレー」プロジェクト。国産初ボブスレー製作プロジェクトの委員長が「舞台裏」を明かす。
目次
第1章 プロジェクトはたった2枚の資料から始まった
第2章 時速130キロ以上で走るマシンをつくれ!
第3章 総力をあげて高品質・短納期を実現!
第4章 選手が乗りやすいソリへと改造せよ!
第5章 オリンピックでの日本選手の活躍を後押ししたい!
第6章 下町ボブスレー2号機・3号機をつくれ!
第7章 ソチオリンピックの先には、平昌オリンピックがある!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
56
大田区産業新興協会の小杉さんから町工場長の細貝さんに突然にきた提案から始まった「下町ボブスレー」プロジェクト。脱け出せない不況の下、技術があるのに生かせない焦燥感を抱えていた大田区町工場の人達に火がつく。数年間で試合に出せるボブスレーを作ったが、オリンピックの細かい規則にあわず、ソチには間に合わなかった。英語の細則を読みとく技術は別だからだ。国やJOCは、解釈を助ける委員などを派遣して、日本が技術大国足り得るぺく、適切な援助をして欲しい。池井戸氏の「下町ロケット」がこの一助となったことは間違いない。2014/04/18
じゅき
32
大田区の様々な企業が集まって日本製ボブスレーを製造するプロジェクトる『下町ボブスレー』の発足から今日まで、未来のことを。 日本のものづくりって素晴しいと思います。小さい町工場でもすごい技術を持っている企業がたくさんで力を出し合ってボブスレーを作り上げる様々な問題もあるだろうけどそれはそのチームワークで乗り切るはずと熱いものを感じました。 2014年のオリンピックで日本製のボブスレーを見ることはできなくて残念ですが、2018年の平昌オリンピックで日本製のボブスレーが活躍してくれることを祈ってます。2014/01/16
けんとまん1007
21
大田区の町工場のことは、随分前から知っていた。それにしても、熱い人たちの集団がここにいる。そして、仕事回し・・・これがいいなあ~。それぞれに得意技を持ちながら、お互いに融通し合って生きていくという姿勢。まあ、そうでもしないと、生き残れないという環境もあるのだと思う。しかし、思いを持ち、まずは動くということ・・これが基本。走りながら、考えながらの繰り返し。そうすると、不思議な縁ができて、やがて太い流れになる。そうすることで、見えていなかった部分が見えるようになる。勇気。2015/09/04
いっせい
19
「ものづくりの町」大田区を世界にアピールしようとの思いで始まったプロジェクト。巻末の資料を最後に見て驚いた。1台のソリを作る為に、こんなに多くの企業や工場が関わっていたとは・・。ある工場は部品を作り、ある工場は部品の材料を作り、またある工場は製造機械の製造を担当し・・多くの町工場が密集する下町の大田区ならではの取り組みだったのですね。残念ながら、ソチでは陽の目を見なかった下町ボブスレー。平昌ではジャマイカチームが採用するとかしないとか?五輪を別の角度から楽しむことができそうです。2018/02/04
うらのプーさん
19
大田区にモノづくりの街があること自体知りませんでしたが、 町工場が一致団結してオリンピックへ、オール日本でフェラーリやBMW、マクラーレンといった企業にスピードで挑むなんて夢のような実話。感動しました。 選手の力量だけじゃなくて、ソリの性能が順位を大きく左右するなんて... 平昌オリンピックが楽しみです。2017/09/11