クラウド増殖する悪意

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クラウド増殖する悪意

  • 著者名:森達也
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • dZERO(インプレス)(2013/12発売)
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  • ISBN:9784844376019
  • NDC分類:304

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内容説明

これが日本なのか、日本人なのか? 徒党を組み集団化することで凶暴化する日本社会、大勢でたった一人をバッシングする容赦なき人々の姿。そんな「日本の現実」へ、重い一石を投じる。2009~2013年に雑誌、新聞、WEBに掲載された原稿を加筆・修正し、書き下ろしを加えて書籍化。

目次

第一章 加害者と被害者――加速する厳罰化と発せられる罵声
第二章 無知と無自覚――外なる「悪魔」、内なる「善」という思い込み
第三章 憎悪と報復――加虐的に、とめどなく
第四章 同調圧力――集団は敵を探し、強い管理統制とリーダーを求める
第五章 覚悟――表現するということは
対 談 蓮池透 + 森達也

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

らぱん

52
クラウドはcloud=雲ではなくcrowd=群衆の意味で題されている。個としては弱い存在が群れたときに力を持つ。良い意味でも悪い意味でも。この本は悪い意味でを取り上げ、ポピュリズムが起こす問題を具体的な例を挙げ論じている。メディアの自主規制や煽情的な手法が誤った民意を作り政治がそこに阿る。三つ巴はそれぞれ逆のベクトルにも働き、またループし、ネットが加速させる。「王様は裸じゃないか」と自由に言えない社会になっていないか。法の規制がなくとも、口に出せない空気があるなら言えないと同じかもっと悪いかもしれない。↓2019/10/17

ヒデミン@もも

28
読み応えあり。今の社会問題を真っ直ぐ見据えて表現されている。自分のことを「実はチキン。場を読めないだけ。」と分かっているところがいい。マスコミに対する意見は賛同。個々の社会問題に関しては、私自身チキンなので何も言えない。そんな自分が恥ずかしいと自覚しているところだけはマシ?2014/11/05

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

23
森達也の時評集。オウムのドキュメンタリーや放送禁止歌以来、量産と言って良い位に沢山本が出ている。かつて何冊か読んだが、読むと絶対何か考えさせられる。この人の意見は賛否両論あるだろう。読むと「でも…」と言いたくなる時がある。だけどその優しさには強く惹かれる。ゴリゴリのハト派だと思う。知らぬ間に頑なで非寛容になっていた頭をマッサージされる気分。時々この人の意見を聞くのは、多分私にとって大切な事だろう。2014/02/19

ヨーイチ

16
この人のスタンスは基本的に好きなので、折に触れて読む事が多い。但し本業の映像は見た事が無い。「社会に物申す」本は限り無く沢山あるわけで、そういう中で何をチョイスするか、は結局「どっちに立ってるの?」っていう事だと思う。金の話があまり出てこないのも気に入ってる。「社会に物申す」と言って置きながら、結局経済効果が唯一の目的で有るかのような本ではないと言うことです。「昔に比べタブーが多くなったなあ、」と暗い気持ちになる事の多い昨今、筆者の問いかけは、より多くの人に読んでもらいたいと思う。2014/02/14

ちくわん

15
2013年12月の本。最近ぐねっとした何かが、この国に横たわっているのを感じていたが、本書を読んで、かなりしっかり見えてきた。知らないことを知らないまま、ただ表面だけを見て評価することの危険性と無責任さに恐怖を感じる。2020/09/19

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