内容説明
『恋愛と贅沢と資本主義』の著作で有名なドイツの碩学・ヴェルナー・ゾンバルト。本書は、その遺作である『人間について』の、初の邦訳である。原書は、ドイツ語で450ページを超える大著であり、第一部から第三部に分けられているが、本書は、ゾンバルトの経済学者・社会学者としての独自の主張で構成されている、第三部の読みどころを、わかりやすい文体で翻訳した、抄訳である。内容は、「人口論」「少子化論」「都市化論」「民族論」「環境論」など、現代人がまさに直面する問題を先見したものであり、それぞれについての著者の興味深い見解が提出されている。また、本書は、その主張の中で、「教育教養によって人間は発展するのであり、人種によってそれはなされない」としたことから、当時のドイツに君臨していたナチスに睨まれることとなった。そのような意味からも、本書は現代人によって改めて読まれるべきものであるといえるであろう。
目次
第1章 人口は何によって増減するのか?(マルサスの人口論の怪 マルサス以後の人口論 ほか)<br/>第2章 人間生活はどこに向かうのか?(人類による大地の征服 人間による地球の改造 ほか)<br/>第3章 諸民族はいかにして成立したのか?(民族の純化と混血、土地の利用 民族形成の諸原因 ほか)<br/>第4章 環境は人間に何をもたらすのか?(ミリュー(環境)論の概要<br/>環境が人間にもたらすもの ほか)<br/>第5章 人間らしさはいかにして形成されるのか?(人の個性を形成する自然と精神について 人の個性は天与のものか? ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
シローキイ
21
6月10日読了 元々は400ページ以上の大著であるが本書は第三部の『人間の生成』における主要部分“人口論”“民族論”“環境論”そして人間の個性がどのように生成されるかについて論じている。マルサスの人口論批判から始まるゾンバルトの主張は近代社会での計算至上主義ともいえる客観性を重んじる自然科学への信奉を真っ向から否定し精神科学の重要性を説く。またナチス時代において混血を賛美する(これは優生学への批判)彼の芯の通った主張は実に学究的だ。コメントに続きます2018/06/10
魚京童!
12
ペスタロッチ式の教育方式を用いても生来の愚者を立派な思想家に育て上げることはできない。愚者は生まれながらにして愚者であり、愚者として死ななくてはならない。2014/04/02
-
- 電子書籍
- おかえり、初恋。【連載版】 8
-
- 電子書籍
- やまとは恋のまほろば 2 新装版 文…
-
- 電子書籍
- 夢幻∞シリーズ 修繕あかしの思い出巡り…
-
- 電子書籍
- 言えない恋心【分冊】 5巻 ハーレクイ…
-
- 電子書籍
- 帰ってきた 日々ごはん〈2〉




