内容説明
本書は、帝政ローマ時代に生きたセクストゥス・ユリウス・フロンティヌス作の古典軍事研究書『ストラテーゲーマトーン』を、ハーバード大学出版部刊の「ローブ古典文庫」版のフロンティヌスの巻を頼りに和訳と注解を試みて、即物的に『[新訳]フロンティヌス戦術書』と題して刊行するものである。マキャベリやモンテスキューらも、その近代政治哲学に想到するに先立ち、ローマ時代の史書や軍学書を渉猟していた。その参考書中に『フロンティヌス戦術書』もあることは、注意深い読書人には周知だが、その和訳書はなかった。マキャベリやモンテスキューが参考にした文献が日本語で全部読めるようにもなっていないのに、どうして日本人はマキャベリやモンテスキューを、あるいは西洋軍学を咀嚼できるだろうか。また、欧米指導者層の基礎教養について日本人だけが無知であることは、わが国に思わぬ損害をもたらしかねない。
目次
第1部 指揮官として用意周到たれ(司令官の企図は秘すべし 敵を調べ、計画を見破れ 戦争の性質を決めていけ ほか)<br/>第2部 野戦に臨んで知っておくべきこと(合戦の時を選べ 合戦の場をうまく選べ 戦闘のための部隊配列 ほか)<br/>第3部 要塞攻防の着眼(奇襲をかける 篭城者を欺け 敵の内部に裏切者を見つけて利用せよ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
VC
2
個々の戦闘を簡単に書きすぎなので、もう少し詳しく書いて欲しかった。戦理の勉強には良いかも2016/03/15
Caivs Marivs
2
水道論等の著作もある有能な官吏にして軍人、セクストゥス・ユリウス・フロンティヌスの戦例集。京大古典叢書の翻訳予定一覧に名前はあったが、どうせ誰も訳さないと思っていたので、素直に本邦初である事は評価できる。しかし、ローブの英訳からの重訳、主観混じりの訳者の解説、第4巻の省略等問題は多いし、訳者は古代戦史に通暁していないと思われる箇所もある。要約として参考にしつつ、原文をあたるべきであろう。とは言え、繰り返しになるが、著書にとっての価値はそれを見い出す人がいてこそであり、非常に意義のある事なのは確かである。2013/12/24
TMHR ODR
1
★×2。日本の軍学者が英語から翻訳したというのはともかく、紀元1〜2世紀の指揮官クラスに参考になりそうな戦場の現場の戦術をただ客観的に箇条書き的に書き並べたもので、読み物としては正直面白くない。補足説明も少なく、この時代のローマ史分からないと何のことだか分からないのではないでしょうか。原典が貴重なものであることは間違いないが、どうせ出版するならもう少し工夫して欲しかった。2016/10/24
-
- 電子書籍
- 逆行先が(元)婚約者の中ってどういうこ…
-
- 電子書籍
- 元・世界1位のサブキャラ育成日記 ~廃…
-
- 電子書籍
- となりのオトナくん ベツフレプチ(18)
-
- 電子書籍
- Do race? 1巻 ヤングアニマル…




