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内容説明
教会は、怪物、魔物、実在のまた想像上の動・植物などのシンボルに満ちた空間です。グリーン・マン、双面のヤヌス、人魚、ドラゴン、グリフォン……。怪物的シンボルが横溢するロマネスク教会を中心に、解読をしていきます。キリスト教と一見無縁に思われる不思議なイメージの中に、失われた民衆の精神史を探ります。また、実際の教会巡りの際に、役立つ図像事典の性格ももたせ、旅行ガイド的要素も盛り込みます。(講談社選書メチエ)
目次
第1章 怪物的図像とイコノロジー的アプローチ
第2章 神の創造の多様性としての怪物・聖なる怪物
第3章 怪物的民族と地図
第4章 「自然の力」の具現化としての怪物
第5章 世俗世界を表す蔓草―ピープルド・スクロール
第6章 悪徳の寓意としての怪物から辟邪としての怪物へ
第7章 古代のモティーフの継承と変容、諸教混淆―ドラゴンとセイレーン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
65
欧州などの教会には本当に様々な怪物のような像がありますし、宗教絵画などを見ても様々な竜や怪物などが描かれています。このようなものが何を意味するのかを明快に説明してくれています。これが図像学というものなのでしょうね。少しこのような本を読んで海外旅行などをすると興味がわいてくる気がします。2015/06/28
Koning
26
ロマネスク建築にごってりとある異形の怪物達の彫刻。このイメージがどう形作られてきたか?という図像学ってことなんだけど、ファンタジーに登場するあれこれとその源流。中世のイメージの脹らみ方の凄さ(まーこじつけとかお約束だし)が楽しい。美学屋さん的にそうだろうけど、古代オリエントをた的にはそこは突っ込みを入れたいとかもあるのはお約束なんだけど(え)、いろんなレベルで楽しめる本というのは間違いないです。いいよこれ。2014/02/10
Moca
23
よく考えると、「怪物・妖怪=悪魔」と結びつけるイメージもあるが、良い面・聖性のある怪物が存在することで、(ある意味)宗教の価値観が大きく変わるものだ。2021/10/04
Moca
22
例えば、グリフォンやユニコーン等の聖なる怪物たちも聖書内に存在している。 ギリシャ神話では、ゼウスは色んな獣に変身し、色んな女達と関わり、ハーレム的なゴット(神)である。 ケンタウロス等ギリシャ神話の神として存在しているのだ。 最も驚いたことは、モーセが角を生えているところである。 え?鬼?悪魔?ちょっと、預言者がそんな化け物だったなんてと驚愕してしまうけれども、ユニコーンの角で考えると、聖性的なものと考えられる。2021/10/04
Moca
20
特にキリスト教でタブー視しているのが、“ハイブリッドの怪物”である。つまり、獣と人間をかけ合わせた雑種は、悪魔とみなされることが、この本書の印象的な部分であり、実に興味深い。 なかには、ギリシャ神話で生み出された神となる多様性のある怪物も存在するのだ。 怪物というのは、異形の獣や亜人等といった悪徳で悪魔的なものだけではなく、その一部として、“神”としての怪物もいるのだ。2021/10/04