ハヤカワ文庫SF<br> 第六ポンプ

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ハヤカワ文庫SF
第六ポンプ

  • ISBN:9784150119348

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内容説明

出生率の低下と痴呆化が進行した異形のニューヨークを下水ポンプ施設の職員の視点から描いたローカス賞受賞の表題作など、全10篇を収録した『ねじまき少女』著者の第一短篇集  化学物質の摂取過剰のために、出生率の低下と痴呆化が進行したニューヨーク。下水ポンプ施設の職員の視点から、あり得べき近未来社会を鮮やかに描いたローカス賞受賞の表題作、石油資源が枯渇して穀物と筋肉がエネルギー源となっている、『ねじまき少女』と同設定のアメリカを描きだすスタージョン賞受賞作「カロリーマン」ほか、全10篇を収録。数多の賞に輝いた『ねじまき少女』でSF界の寵児となった著者の第一短篇集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

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49
🌟🌟🌟🌟☆。短編集。面白かった。2013年に出版されてやがて絶版。2023年に再販。2023年の読書関連の収穫はハヤカワ古典SF大好きYouTuberの女性に出会えた事。彼女の影響で購入して積んでいる作品が数冊あるほど。この作品も彼女が「無人島に一冊だけ持って行けるならコレ‼️」というくらい惚れ込んでいる。自身のハンドルネームもこのタイトルをもじった名前にしている。その影響で俺もこの本は「保存用」と「読書用」と二冊持っている。内容は退廃的な世界を描いた割りと救われない話が多い。俺好み。2023/10/12

催涙雨

29
バチガルピは代表作のねじまき少女がそうであるようにバイオテクノロジーや環境問題にフォーカスしたパンクスタイルの作風で知られており、本作にもじめじめとした暗く報われない作品が多く収録されている。◯◯パンクの常として彼の作品では封建的な縦社会、富の独占、社会的モラルの欠落、人命の軽視といったディストピア的なモチーフが多用される。風景としてはスモッグで曇った空、金屎の山、汚水だまりなどの陰鬱なものを想像させる作品がほとんどで、ひたすらに退廃的である。こと風景においては色彩に乏しい印象を与えるものだが、ひとつの短2025/08/10

アプネア

21
「ねじまき少女」のバチガルピによる10篇の短編集。SF的造語が飛び交いながらも、殆どの作品が環境を主とする諸問題、それこそ、石油枯渇、温暖化、水不足、食料危機などの有り得べき近未来ディストピアを想起させる。その壊れゆく世界で、登場人物達は過酷な運命に翻弄され、足掻く・・・。設定の妙から生まれる重い思考実験の連続で、極めて人間臭い倫理的ジレンマやヒリヒリ感が、とても息苦しく生々しい。総じて悲観的な未来ですが、それでも、しぶとく、したたかに生き抜く人の姿を描きたかったのかな。2021/03/12

もち

20
「その子が毎朝見るものをわたしも見たい」◆人々が不死・不妊となった社会。だが一定数、措置を拒み、老化してでも出産しようとする女たちがいた。犯罪者を無反動砲で処分する部隊に属する男は、殺すべき女と子供を前に、何故か会話を重ねる――(『ポップ隊』)■身体構造、動力源、インフラなど、「当たり前」を裏返したSF設定に浸れる短編集。砂の身体を持つ兵士、フルートになった少女、痴呆社会の孤独な奮闘。マッドな世界観に一瞬、眩く交差するドラマが、心を捕える。2020/05/15

tomo

15
☆☆☆☆ 4.3 パショ:今や世界中で見られる理想主義vs現実主義を考えてしまう。本作では理想主義的な若者が現実主義的な老人を倒すが、現実社会では若者vs老人といった単純な対立構造だけではないか…SF作家の一種天才的発想から生み出された作品集。一瞬の閃きだけに、短編集になってしまうのは仕方ないにしても、この発想力。歴史モノ、警察モノ…などは想像ができるけど(勿論書けませんが😎)、普段からどんなこと考えているんだろう。2023/09/05

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