内容説明
20世紀初頭、清が滅んで中華民国が成立した数年後、江南の仙陽で「黄石斎真報(こうせきさいしんぽう)」なる画報が発行された。「黄石斎真報」は、地元の社会問題や事件のみならず、怪しげな話題も取り扱っている。記者の陸亜森、居候の黒蝙蝠らは、新人の林崇徳と奇妙な出来事を取材する過程で、その真相に近づいていく。それらは記事になると同時に、黒蝙蝠らに副収入をもたらしてもいた……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
外道皇帝
8
清から中華民国に変わってまだ日も浅い中国の地方都市・仙陽で絵入り新聞「黄石斎真報」を発行する面々が奇怪な事件を解決する。黒蝙蝠が博覧強記の上武術の達人とオールマイティーすぎて他のメンバーが霞んでしまってるのが残念。怪異のしわざのように見える事件を現実的に解決するミステリはなかなか良かった。これはシリーズ化希望。2014/04/17
夏子
6
非常に好みな雰囲気の中国ミステリー。主人公の所属する組織が意外に汚れ仕事もしていて上司の黒蝙蝠が意外に腹黒なのが楽しい。2015/05/28
ほんだや
5
サービスって読者へのじゃなかったのか!!!とすっかり騙されておりましたです。まぁ最後の話で別の読み方できるよなーとかそいや地方もとか思ったけど!そうきたか!毎回話の頭に中華民国ができた頃の地方の一般的な民衆の認識みたいのが差し込まれてってこんなに地方はぽやんぽやんしてたんだろうかのう…そら日本にも負けるわなーとかとか2014/01/30
紫
5
武侠と特撮をこよなく愛する秋梨先生最新刊であります。「中国版東ス○!?」などというオビからイエロージャーナリズムモノかと思いきや、記者稼業は世を忍ぶ仮の姿、ルパン三世か特攻野郎Aチームか、はたまた必殺!を思わせるアウトロー活劇路線で、こいつら、記者らしい活動はほとんどやっていません(笑)。義賊ではなく、本当に悪漢揃い。『もろこし紅游録』以来、3年ぶりとなる中華系短編集ということで期待は大きかったのですが、ミステリーとしても活劇としても薄い印象で、ストーリー運びから緊密さが失われてしまったのが残念。星3つ。2013/12/06
ユイ
4
中国版東〇スポというのは言い得て妙。どちらかと言えば普通の事件を怪奇事件に仕立てる方が好きですが(笑)2014/08/30