内容説明
今を生きる私たちにとって万葉集の魅力とは。最新の万葉研究を背景に信仰・都市・女性・家族など古代と現代を繋ぐ13の視点から有名な万葉歌を読解。読んで学び、感じて味わう、現代人のための万葉集入門!
目次
現在と都市
都市と神々
神々と女性
女性と労働
労働と家族
家族と愛情
愛情と怨恨
怨恨と揶揄
揶揄と笑い
笑いと宴席
宴席と庭園
庭園と愉楽
愉楽と現在
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
40
万葉集を楽しむための手掛かりがたくさん詰まった一冊。和歌が詠まれた時代背景や風俗、万葉人たちはこんな風に考えていたのではないかということをほんの少しだけでも知ると、これまで気にも留めていなかった言葉にもきちんと意味があるとわかる。中臣清麻呂の宴会で家持や今城らが競うように詠んだ歌(巻20:4496-4513)が面白かった。様々な解説者の異なる視点によって色んな顔を見せてくれる万葉集、面白い歌集だな♪2018/06/06
ともとも
8
短い文章の中で、奈良時代の面影を伺えると同時に、イメージしながらも 当時の人々の生活を想像することが出来、まるでタイムスリップをしたかのよう な感じにさせられながらも、さらには時代が違えども、暮らしの中で、 人間の持つ喜怒哀楽があるということは今の時代にも通じるものがある。 多くの事を大切にして、その気持ちだけは失いたくはない、 そんなありのままの姿が込められた和歌、 その純粋さに、いろいろと考えさせられながらも、万葉の世界観、和歌の魅力が 十二分に感じられるどころか、とりこまれてしまいました。2014/10/14
Shoji
2
歌を歌う側の心性を読む側の心性に照らし合わせて、万葉人の民俗を復原しようとしている。でも、そんなこ難しい話は抜きにして単純に読み物としても楽しめました。2015/10/02
りやう
2
著者もあとがきで言っていたが体系的に書かれた本ではないので通史として簡単に万葉集を抑えられるわけではない。ただ、普通の入門書の類よりも万葉人の考え方や感じ方はわかりやすく書かれてるのかな、と思う2014/02/27
れいまん
1
2007年にNHKのラジオカルチャーのテキストを著者が改めてまとめたもの。上野先生らしさ満開。そういえば、上野先生と中西先生の会でご一緒したとき、お酒をご機嫌に飲まれていたのを拝見しましたが、大伴旅人風だった気がします! 古典はこちらから問いかけなければ、黙して語ることはないという事を身を持って教えて頂いた良い内容でした!2024/05/23