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内容説明
近藤文夫は高校卒業後、ホテル「山の上」に入り23歳で料理長に抜擢される。その姿はやがて、ここを常宿にしている文人たちの目に留まるようになる。なかでも池波正太郎との出会いは近藤の人生を変えた。1993年に独立、銀座に「てんぷら近藤」を構える。ここで脇役扱いされてきた素材の研究をすすめて、いままでにない「野菜てんぷら」を考案していく。その生き様を描きながら、なかなか見られない厨房、河岸など舞台裏に迫る。
目次
第1章 二人の恩人
第2章 魚河岸通い
第3章 二つの鍋
第4章 さつまいもの公式
第5章 幻の花を求めて
第6章 「てんぷらはもうやめや」
第7章 最後の職人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
226
天ぷら、といえば魚が主流だったころ、野菜天の美味さを世に広めた近藤文夫のドキュメント。グリーンアスパラや”人参の花火”(千切り)…、読んでいるだけでよだれが出てきた。特に、空豆のかき揚げは「水のように薄い衣」でまとめ上げるため、完成までに1年以上かかったという逸品。「最後の職人」近藤のこだわりは、「旨すぎない、ワイン・吟醸酒は出さない、支店出さず、材料費を値切らず、客からサービス料取らない」。文豪・池波正太郎との交流が、最後まで心に響いた。2020/05/13
けんとまん1007
11
職人・・・憧れを抱く言葉の一つ。自分の親戚には、俗に言う職人と思われる人が多い。大工、菓子作り、水周り、農家・・・あくまで私見なので、あっているかどうかはあるが。それにしても凄いとしか言いようが無いし、自分が持っている職人のイメージがここにある。自分にここまで厳しく、かつ、お客様だけでなく、かかわる人たちへの思いに溢れた姿。そして、日々の積み重ねを厭わず、それでいて、わざとらしさがない。だからこそ、伝わるものがあると言えばいいのだろう。食材を活かすと、言葉では簡単だが、1個1個の違いにまで気を配るとは。2014/02/05
ゆうゆう
3
文字で読む「天ぷら」の物語は何て美味しそうなのでしょう!近藤さんが、山上ホテルから独立現在に至るまで、その一部分しか文字にする事はできていないでしょう。料理を追求(追究でもあっていそう)する姿勢、古きを新たむ精神、日々刻々が真剣勝負。揚げたての天ぷらをカウンターで食べたい!2015/01/19
虎モコ
2
面白かった❗️ 全く知らない人だったが、営業としてこの方の仕事ぶりを真似したい。 一升マスの例え話は感動しました。 これだけやれば、人生激変できると思える本でした2017/10/04
おきゅ
1
一度、食べてみたい。2014/01/17