内容説明
【開高健ノンフィクション賞受賞作】常夏の国フィリピンで、困窮生活を送る何百人もの日本人男性がいる。フィリピンクラブで知り合った女性を追いかけてきた男、偽装結婚のカモにされた男……所持金ゼロ、住む家もない彼ら「困窮邦人」に手を差し伸べるのは、フィリピンの貧しい人々だった。男たちのすさまじい生き様を通して現代日本の問題点をあぶり出す、渾身のルポルタージュ。第9回開高健ノンフィクション賞受賞作。
目次
第1章 フィリピン人に助けられて(寝場所は教会 困窮邦人 ほか)
第2章 利用された人生(新聞配達員の希望 偽装結婚 ほか)
第3章 逃げ続ける若者(追い詰められて 逃亡犯 ほか)
第4章 海外で失った自由(障害者施設 自己責任 ほか)
第5章 掛け違えたボタン(一直線の人生 キャンディ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
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15
フィリピンクラブのフィリピーナを追っかけて。 偽装結婚にだまされて。 借金苦から逃れて。 そんな理由でフィリピンに渡った男達。 待っているのは、所持金ゼロのどん底生活。 ある者は教会で寝起きして屋台を手伝い日銭を恵んでもらい ある者は身体障害者となり寝たきりとなっていた。 ビザが切れているので不法滞在となり その罰金を支払わないと強制送還もされない。 日本大使館は立替はしてくれない。勿論である。自己責任。 日本の身内からは見捨てられ、何のために生きているのかさえも分からなくなる。そんな彼らの生き様のルポ。2014/10/04
0717
11
様々な理由でフィリピンに渡航し、所持金も尽きて大使館に駆け込んで来る人が年間300人は超えるらしい。多くはフィリピンパブに入れ込んで、借金苦から逃れる為、日本とは違う自由気ままさが気に入って渡航し、半ば騙されるように所持金を失い路頭に迷いホームレスの様な生活に陥る。中には病気で命を失う人も。そうした日本人を支援しているのが、同じく貧困に喘ぐ現地のフィリピン人だったりする。昔の知人で妻子を捨ててフィリピン(タイだったかな?)に渡った人がいたけど、今頃どうしてるんだろう・・・。2014/10/30
ちょこちん
10
★★☆☆☆ ダメンズ物語。2020/03/10
タカボー
8
フィリピンはホスピタリティの国と聞く。他人の事を気にするフィリピン人というのがよく見える。日本人は他人から自分がどう見えるのかは気にするが、他人の事自体はほぼ気にしていない。殺人犯の半分も逮捕されない状況は困るけど、そんな緩い国だから困った日本人の駆け込み寺みたいになってしまうのかな。本書に出てくる日本人達は相当甘ったれてるなと感じてしまう。自分でなんとかしようと思ってないもの。似たような状況になった人が知人にもいる。全然境遇は違うけど、人生の死に際を考えるようなノンフィクションだった。2025/12/31
paluko
8
フィリピン在住YouTuber「アキラ先輩」の動画で興味を持って、読みました。日本の親族にも実質、絶縁されて所持金も底を突き日々、オーバーステイの罰金が嵩んでいくため出国することもままならない、そういう日本人に援助の手をさしのべるのがフィリピン人の貧困層という皮肉。日本の外務省の担当者も「フィリピンの親切で優しい国民性はいいことだと想うが、その面倒見のよさが逆に困窮者を生み出す環境を作る仇になっているのではないか」(208頁)と語るほど。「自分に都合のいいことしか言わない」困窮邦人も闇が深いかもしれないが2021/09/30




