内容説明
国内外のエネルギー事情に精通する日本エネルギー経済研究所研究顧問、十市勉氏の最新刊。
米国発のシェール革命、世界におけるシェール開発の現状、今後の予測をデータを用いて紹介するとともに、シェール革命がエネルギー市場や産業界、そして国際政治に及ぼす影響について詳細に解説する。
その上で、原子力発電所の長期停止で電力不足に陥っている日本への影響も鋭く分析。また、今後のエネルギー政策のあるべき姿について持論を展開する。
シェール革命関連本の中でもエネルギーに焦点を当て、コンパクトにまとめた決定版。日本のエネルギー戦略を考える上で必読の1冊。
目次
第1章 シェールガス・オイルとは何か
第2章 シェール革命で変わる米国
第3章 シェール革命は世界に広がるか
第4章 シェール革命で変わるエネルギー地政学
第5章 日本で高まる期待と現実
第6章 日本の針路
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろう
5
シェール革命により世界のパワーバランスが如何に変わり得るかを純粋に燃料資源の観点から分析した本。米国の中東離れ、ロシアの薄気味悪い北方領土への譲歩動向など現実世界で最近顕著な不可思議な現象が北米大陸のシェール開発によるエネルギーパワーバランスの変化で見事に説明しうる面白さ。クールな数値に裏打ちされた未来予想は実に説得力あり。これからの投資はアメリカを軸に考えることで間違いなしか。2014/06/16
スプリント
4
シェールガス・シェールオイルがどういうものかという説明から始まり、採掘から利用に至るまでの技術変遷や課題、将来の展望について説明されています。日本は残念ながらシェールガス・オイルの埋蔵は期待できないようなので埋蔵国とどのように付き合っていくかが国家戦略として問われていることがわかります。2015/04/30
O. M.
2
本書で一番良かったのは「第1章シェールガス・オイルとは何か」で、シェールガス・オイルにかかる基本的要件が、分かりやすくまとまっていたところです。この分野を少し勉強してみようという専門外の方が初めに読むと良いのでは。2章以降では、シェール革命が、米国、世界、日本に与えた影響が順に考察されますが、ここは日々新聞を丁寧に読む人なら新しい知見はありません。著者は国内外の業界研究の経験が深く、データ・事実に基づいた真っ当な論説がなされています。ボリュームも手ごろで、真面目な良書です。2013/12/30
k_ta
1
石油先物の価格破壊は確かにシェールにダメージを与えたが、同時に出口戦略を間違えるとサウジの王制に打撃が大きくなりそうな様相を呈してきた。 戦略的にはミスに思えるが、シェールの果てなき生産拡大をある程度で食い止めるというのは大切な選択だったと思う。 日本のエネルギー戦略は基本的にリスクヘッジが弱い。それをどう高めていくかがエネルギー戦略の講師となるべきだと思う。2015/03/13
Toshiki
1
★2014/06/25