単行本<br> 世界はなぜ「ある」のか? 実存をめぐる科学・哲学的探索

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世界はなぜ「ある」のか? 実存をめぐる科学・哲学的探索

  • ISBN:9784152094148

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内容説明

万能の天才科学者ライプニッツが問うた、「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか」という古来の難問を、哲学、宗教、科学の広い領域の学者に取材し突き詰める。二一世紀に蘇る知のルネサンス
なぜ「何もない」のではなく、「何かがある」のか? 万能の天才科学者、ライプニッツが提起したこの「存在の謎」は、人間が生まれて以降に投げかけられた最も深遠な問いだ。善のイデアから神、数学、情報、量子ゆらぎまでの、何が事物をあらしめるのか。「まったくの無」というものはあるのか、あるいはありえないのかを、著者は広大な知的世界を探偵のように尋ね歩き、有望な答えを持っていそうな著名な哲学者/物理学者/神学者/文学者との対話を重ね、謎の核心に迫っていく。
先端科学の成果が加味されはじめていま最も刺激的な科学哲学上のテーマを、ジャーナリスティックで明快な文章にのせて綴る。ニューヨークタイムズ・ベストセラーともなった、考えることの楽しみを存分に味わわせる1冊。/掲出の書影は底本のものです

目次

忙しい生活をする現代人に贈る、何もないのではなく、何かがあるはずであることの手っ取り早い証明
謎との遭遇
哲学のあらまし
無の小史
偉大なる拒否者
有限か無限か?
帰納法を駆使するノース・オックスフォードの有神論者
多宇宙論の鬼才
究極のフリーランチ?
究極理論を待ちながら
プラトン主義の意見
「何かが存在することの倫理的な要件」
すべての魂からの決定的な言葉
ちょっとした軽妙な詩としての世界
自己:私は本当に存在するのか?
無への回帰
セーヌ川の上で

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

82
スピノザが宇宙を《自己原因》と考えたことが、プルーストのあの大長編にまで繋がっているのには驚く。だが「有」と「無」にこれほど拘るのは西洋的な思考ではなかろうか。ビッグバンを神の御業と考える教皇庁、反対するマルクス主義者…こういう大騒ぎには少し引いてしまった。グリュンバウムの言うように、「無」を前提にするから「有」が不可解なのだ。最も見込み薄だったプラトン主義がだんだん気になり、三つの宇宙を提唱するペンローズや、善の必要性を宇宙の存在理由とするレスリーに興味を引かれた。そこでスピノザが再登場するのも面白い。2017/08/22

takeapple

18
世界はなぜあるのかという謎を解明するために、世界中の哲学者、神学者、物理学者、作家などを訪ね歩き、インタビューしながら思索を重ねた記録である。特にアメリカなのか西欧の物理学者にも神の実在を信じるというか、理論的に神が存在すると考える方が合理的に宇宙の謎が解けるという人がいるということに驚いた。そてにしても宇宙の起源とか、ビッグバン前はどうだったのか、死んだらどうなるかということは、子どもの頃は良く考えたけれど、最近は思いもしなかった。物理学の進展で謎は解明されているのだと思ったらそうでもないようだ。2018/03/04

Moca

15
そもそも世界は誰が作ったのかは科学っていうよりも、宗教的要素になってしまうのではないか。 「なぜ」という疑問の問題提起は人間にとっては未知の存在であり、実際に確かめないと、分からない存在なのである。 そんなときには、問題提起を変える必要がある。 問題提起を置き換えて変えると、考え方も違ってきたりもするのであろう。2021/09/19

Moca

15
「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか」 そもそも、世界中には「なぜ」というような疑問がたくさんある。 「なぜ」という疑問に沿ったキーワードを探り、色んなものを調査にして、思考にまとめるのが、哲学なのだ。2021/09/19

Kazehikanai

14
「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか?」これを哲学的に科学的に考える。神学、先端科学、抽象哲学の、現代と過去の偉人とに問いかけ、追い求めるサイエンスなエンターテイメントで、この冒険は著者のリアル人生も覗かせながら進む。何もないと言うとき、何かがあったことになる。からっぽは、その空間が想定される。無数の宇宙。すべて幻。科学が越えられない壁の向こう側に、神の存在が示唆される。実存をめぐる科学・哲学的探索は、素人にこの神を窺う領域に足を踏み入れさせてくれる読みやすさで、さらに追及してみたくさせる。良かった。2021/01/27

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