内容説明
ソニーで長いこと電機製品を売ってきた私が、突然命じられた片道切符の「出向」。行った先は、業界最下位にあえぐアメリカの大手映画スタジオだった──。日本人初のハリウッド経営者として、瀕死のコンテンツ産業を救うさまざまな方策を編み出し、見事トップを争う会社へと立て直した著者の、工夫と粘闘のストーリー。
目次
1 危地(トム・クルーズからの電話 スタジオ買収で苦境に陥ったソニー ゴジラになれなかったGODZILLA)
2 転換(テンプレートとポートフォリオ シリーズ化―なぜ続編はビジネスになるのか)
3 強化(スパイダーマンに化けた007 職人集団を「独り立ち」させる―イメージワークスがアカデミー賞を獲るまで 傑作の「宝庫」を手放すな―ソニー・クラシックスの重要性 「長壁」にぶつかる―中国の逆鱗に触れた「セブン・イヤーズ・イン・チベット」 日本へのグローバル化―テレビ事業の拡大に取り組む 賞とショーと―ハリウッドで仕事をするということ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nizimasu
10
エンターテイメント業界というのはどうしてもどんぶり勘定な部分が多いんだけど、そこに見える化して、独自のポートフォリオを作っていく過程がこの本の一番のみそかな。結局、ビジネスモデルの可視化からV字回復する成功譚で読後感も心地よい。ビジネス書のケーススタディとしても学べる部分が多いな2014/04/05
ANUNYAPHUM
7
ビジネスマンに読んで欲しいと著者は思って書いたそうですが、私は「ハリウッドってこんなところだったんだ」と実際そこにいた人から話を伺う感覚で読み終わりました。 ハリウッドってアメリカの象徴だとおもってましたが、ソニースタイルとハリウッドのクリエイティビティをコラボさせたのは凄いですね。 ソニーが新しいものをうみだす日が又来てほしいなあ。2013/12/27
nobu23
6
慢性赤字のソニー・ピクチャーズを立て直すためにソニーから派遣されて復活に導いた人の視点から描かれた当時の内情が面白い。ハリウッド版ゴジラの失敗に関しても深く描かれている。2021/01/02
スプリント
6
ハリウッドの文化と日本の企業文化の融合とバリューの創出に尽力した著者ならではのエピソードや経験談がとても興味深く、勉強になりました。 著者にはぜひ、日本映画の立て直しに携わってほしい。。。2016/07/19
くりりんワイン漬け
4
鉛筆をもって読んでください。 氏のメディア・エンターテイメント講義に参加させていただきましたが、それを補完するためのテキストとして非常に役に立ちました。 そんなまじめな話に限らず、難しい環境での総合的で最適な(最適というのはここで適当かどうかわかりませんが)事業のつくりかたを教えてくれています。ということで鉛筆をもってそのポイントを探していただきたい。2015/11/21