内容説明
「クァピタン殿! 打沈め線を越えてはならねぇ!」
ペリー来航の7年前。江戸湾に、巨大な戦艦が突如、姿を現した。幕府が決めた「打沈め線」を越えたら、三崎にある日本側の全ての大砲は火を噴く。
西欧列強の恐ろしさは、清国の惨状から、骨の髄まで日本人には理解されていた。なんとしても砲弾を交えることなく、巨大戦艦を止めなければならない。
自らの船の70倍の人員を乗せた世界最大級の戦艦をめざし、川越藩与力・内池武者右衛門は、死を覚悟の「乗止め」に向かった――。
胸熱くなる歴史エンタメの傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュラフ
18
知らなかった歴史の事実。幕末のきっかけとなった1853年のペリー来航は誰もが知るところ。だが、ペリー来航に先立つ7年前の1846年にすでにビッドル司令官がアメリカ艦隊を率いて江戸湾に来ていたという。しかも奉行所との行き違いからビッドル自身が殴られるという、一発触発の状況であったという・・・突然のペリー来航で江戸幕府が驚愕したというのなら分かるが、実はその7年前に江戸湾への異国船侵入の事件はおきている。とすれば同様ケースへの対応準備をすべきであり、ペリー来航にもう少しスムーズな対応ができたのではなかろうか。2014/10/12
きーよ
4
ペリーの7年前、米国の軍艦二隻が通商打診に江戸湾に投錨し、封鎖状態。その事態の打開に奔走した川越藩の内池武者右衛門の日記がベース。沿岸警備の武士達と好奇心とファーストコンタクトの緊張が隠せない提督以下の米国側を交互に描き、臨場感はいや増す。当時、西欧と交易を行った多数の隣国が植民地化され、疲弊していたことを考えれば、鎖国は最善策と思える。ロシア海軍士官ゴロブィニン「日本幽囚記」も面白そう。米艦が親書を持って帰国の途に就いた後の日本の悲惨な顛末が一転、溜飲が下がる仕組みも読後感を爽やかなものにしている。2014/01/05
しおちゃん
3
爽やかでせつない物語。居合切りにアメリカ人はびっくり仰天。 武者右衛門の小気味よさ。 せひ映画化してほしいです。2014/01/08
チャーリー
2
ペリー来航の7年前に来航したビットル提督の話は知らなかった。交渉の際に起こった事件は文化の違いによる悲劇である。ただ、物語としては最後の展開でホッとさせられる面白さがあった。2016/05/03
TATA
2
面白かった。熊谷さんは三作目、どれもそうですが歴史の深さを開帳しつつ読ませてもらえます。これもドラマになればいいのにと思う傑作。だけどあまり読まれてないですね~。周りの人に薦めよう。少しでも興味を持って手に取る人が増えますように。2015/03/11
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