内容説明
実際のカウンセリングの現場で起こった11の典型的なケースを紹介し、その癒しのプロセスを男性カウンセラーならではの客観的な視点で綴る。いずれのケースも相談者は自分の人生を取り戻し、納得のいく解決を得ている。母との問題を抱える人に、悩んでいるのは自分だけではないこと、解決の道があることを強く示す書です。
目次
第1章 それでも愛されたい娘たち(娘のすべてを否定する母との決別 夫への怒りを、殴る蹴るで娘にぶつける母 母から逃れるには死ぬしかない)
第2章 なぜか母には逆らえない(ストーカーのように干渉し、自分の夢を押しつける母 娘が嫌いでたまらない 娘を追い詰める“完璧な母”)
第3章 母の愛が重すぎる(娘を自分のコピーにしたい母 娘に尽くして支配する母 奴隷のように娘を扱う母)
第4章 母のようにはなりたくない!(娘を叩くたびによみがえる悪夢 結婚できないのは母のせい)
第5章 母と娘のほどよい距離とは(親子関係は「共依存」の原型 親も子も闘争しながら成長していく 「ちょっと共依存、ちょっと自立」を目指す)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿呆った(旧・ことうら)
18
〈母親たちの隠れた怨嗟やライバル意識は、母と娘の間に果てしない絶望と怒りを生んでいく。その娘は、母から受けた傷跡を引きずり、次に自分の娘のライバルに見立てて、怒りや憎悪の矢を放つことがある。その連鎖はあまりに虚しい。この…連鎖を断ち切るカギは、娘は自分を求めていて、自分はそれに応えられるという自信を母親が取り戻すことだ。〉こういう問題は難しいと改めて思いました。基本的に母親が悪者になりますが、母親の言い分もわかるというか。でも子供の立場から見ると、母親は絶対的な存在なので、影響は無限大。2016/05/24
caramel
12
沢山の実例とともにこの著者さんの分析が載っていて分かりやすかったです。実例の娘さんには勿論共感できるところが沢山ありましたが、母親の苦しい気持ちも分かるので複雑でした。心理的連鎖に関する記述で、物凄く頷ける所があって、誰にも言わずなんとなく感じてたけど正にこの感覚だ!と思う事が丸々書かれていてこの著者さんは男性ですが、とても母娘の心理に鋭い方だなあと思いました。2022/09/09
mami
11
自分と全く同じ立場にいるパターンを探り当てたいと願ってはこの類の本を読み漁る。今度こそと思いつつ、書かれてることはどれも似たり寄ったり。救われるどころか傷を増やしているだけのような気がしてきた。2016/12/07
もけうに
5
このテの本は、読んでいて救われる部分もあるけれど、それ以上に読んでいて苦しい。自分がいかに、母が自分の絶対的な味方にするためだけに育てられたか実感して苦しい。依存しないで欲しい。パートでもお稽古ごとでも社交クラブでもなんでもいいから、外に出で欲しい…。私は愚痴聞きマシーンじゃない。2014/05/18
みみりん
4
読んでいて苦しくなる内容。本書の私と母との関係の分析は疎遠だった。私のことを全く理解せず自分の考えを押し付けてくるから母とは心理的に距離を置いている。確かに母と娘の関係は問題が起きてカウンセリングを受けることが多いので本書が書かれたのだが根本的な問題は夫である男が人として幼すぎるからではないかと思う。父も夫も心が幼かった。幼いというのは自分のことしか考えられないという意味。社会で人と良い関係を築けない人が他人である妻と良い関係を築けるわけがない。2022/10/08