内容説明
噺家・古今亭志ん輔は真打ちになっても華も人気もなく、客は笑わない。池の畔で孤独に練習していると、草陰から笑い声がして狐と狸の子どもが転がり出てきた。噺を実話と早とちりした2匹は、志ん輔を仲間と勘違いして妖怪事件に巻き込んでいく。妖怪と人間の垣根を越えて「かたる」を学ぶ、落語×モノノケの成長物語!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
胡蝶
9
落語と妖怪物語の融合。新しいですね!確かに落語って妖怪話とか奇っ怪な話が出てきますもんね。化け学に悩むきつねとたぬき。そして、真正となり自らの語りに悩む志ん輔、、、そんな、彼らがひょんな事から出会いとある事件に巻き込まれていき、成長する物語。おもしろかったです。2014/03/06
momo * @積読本を減らそう
4
噺家、古今亭志ん輔は真打ちになったが華も人気もなく、客はくすりとも笑わない。不忍池で孤独に練習に励んでいると草陰から笑い声とともに子狐と子狸が転がりだした!2匹は『語る』を『騙る』と勘違い。落語が人を化かすものだと思い込み志ん輔を妖怪事件へと巻き込んでいく…。売れてない落語家が主人公のお話。多助と勘太が可愛らい(*´∇`*)!"志ん輔出世噺"とある通り妖怪退治を通して志ん輔が噺家として成長していきます。シリーズ化して欲しい作品!2014/11/07
うにねこ
4
表紙イラストがキレイで気になった一冊。ストーリーも私が好きな、時代小説+物の怪ものでした。落語家が主人公なのは初めてよみましたが、作品中に出てくる噺も新鮮な印象でした。とにかく、子狐の多助と子狸の勘太がめっちゃカワイイ!!2014/01/05
デジ姫
3
まるでアニメを見ているようで楽しく読めました。 子狸と子狐の活躍可愛くも頼もしかったです。2014/01/29
木冬
2
ある夜のこと。売れない噺家が、一人練習をしているといつの間にか闇の中にお客が。一人練習のつもりがいつの間にか闇に潜んでいたモノ達に大受けし、誰だと思えばそれは子狐と子狸そして闇に潜む何者か達。そして二匹と出会った同じ夜に別の事件にまで巻き込まれ、それは江戸全体の危機に関わることで……はたして主人公は立派な噺家になれるのか?落語家が主人公というのが個人的には新鮮でした。さらには可愛い子狐や子狸、噺の中の人物である謎のおいちゃんと登場人物がみんな魅力的。“化かす”の意味も面白く、なるほどと思ってしまいました。2013/10/22