内容説明
頭蓋骨に白い花、掛け時計にスープ皿――テーブルの上の惨殺遺体を囲むように置かれた謎めいた品々。絵画を模したような現場を作り、さらに「過去の亡霊」を名乗って警察OBの自宅に電話をかけてきた犯人。自らの存在をアピールしたいのか。如月塔子ら殺人分析班が鋭い推理で明かす、歪んだホシの正体とは。講談社文庫「警視庁殺人分析班」シリーズは、講談社ノベルス「警視庁捜査一課十一係」シリーズと同一シリーズです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
202
シリーズ第2弾なので、キャラを各々説明する文章も極力スリム化しており、事件に専念?できます。特別大きな波はないのですが、ジワジワと展開が変化していく流れが、病みつき?になります。主人公「塔子」さんがいたって‘普通’なところがいいです。他のスタッフも特にクセがあるわけでもなく、超人的な特技があるわけでもないので、ある意味リアルな感覚で読む楽しみがあります。またミステリー要素だけではなく、主人公の成長を記したドラマでもあるところが、この作品の最大の魅力なんだと思います。今後の成長にますます期待します!2013/10/19
absinthe
194
今回も振り回されっぷりが良かった。登場人物のキャラもよい。また、謎は大掛かりだけど明かされてみると意外に優しい仕掛けにきょとん。それでいて不満を与えない。とてつもなく大きな謎を開示して、色々想像させて、最後に小ぢんまりした解決を見せて、納得させる。このシリーズは、警察小説の王道だと思う。今作の方が完成されていると言う人が多いけど、前作の方が面白かったかな・・・。期待度が無駄に高すぎたかもしれないけど。2019/02/12
🐾Yoko Omoto🐾
146
殺人分析班シリーズ2作目。不可思議な遺留品が残された殺人現場、被害者のミッシングリンク、フーダニット、そして事件の核となる様々なWHYの解明へという一連の様式が、今作も本格に寄せて構成されており面白かった。刑事としてはまだまだ甘い面を見せる塔子が、周囲の先輩の指導と支えのもと成長していく姿はこのシリーズの醍醐味で、陰湿な内部事情を描かないところにも他の警察ものにはない良さがある。今回は元刑事の加賀美が、塔子の成長に一役買った事件でもあり、そして醍醐味と言えばやはり鷹野の神憑り的な閃き推理ははずせない(笑)2015/10/17
KAZOO
140
この作者のシリーズものの第2作目です。鮎川賞を取った作者というのがぴったりな作品です。警察小説とはいいながらも本格推理的な要素も併せ持っていて楽しめます。犯人が前作と同様に最後になってああこの人物であったのか、ということで少しビックリさせられます。また刑事がそれぞれ特徴があります。2018/05/25
utinopoti27
127
惨殺死体を取り囲むように置かれた謎の品々。混乱する捜査を尻目に、さらに「過去の亡霊」を名乗って警察OBの自宅に電話をかけてきた犯人。彼はなぜあえて目立つ行動をとるのか。やがてさらなる被害者が・・。犯人は誰か、そしてその目的とは・・。前作「石の繭」では存在感がやや希薄だった如月塔子でしたが、本作では彼女の魅力の片鱗がようやく見えてきた感じ。ただ、猟奇的な出だしのわりには謎解き要素は控えめで、捜査はもっぱら塔子や鷹野の勘とひらめき頼みというのも何だかなあ。まあシリーズは始まったばかり。今後に期待しましょう。2019/01/20
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