内容説明
史上、これほど愛された女性がいたろうか――時の最高権力者・白河法皇と、その養女にして最愛の恋人・待賢門院璋子(たまこ)。法皇63歳、璋子15歳。およそ50歳も離れた2人の“禁断の愛”は、平安という貴族社会を炎上させるほど、激しく純なものだった。月刊「文藝春秋」連載時から話題を呼び、文藝春秋読者賞を受賞。渡辺文学の集大成、ここに誕生!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
57
この本を貸してくれた友人が渡辺淳一はエロイよと言うので構えて読んだせいか、案外すらっと読み終われました。白河法皇と待賢門院璋子の年の差カップルにはびっくりでしたが、この時代ならではの権力闘争が絡んでいて予想以上に面白かったと思います。昨年の大河ドラマの配役が頭に浮かんでしまって困りましたが、あのドラマを観ている時にタイムリーにこの本を読んだらもっと楽しめたんだろうと思うと惜しいことをしました。2013/11/30
igaiga
27
渡辺淳一お得意のエロエロかと思ったら途中で、医学書みたいになって、挙句の果てに「私はこう思う」とな?はい???なんで自分の感想???歴史小説だと思ってたのに!もう少し面白くしてくれるかと思ったのに途中で尻すぼみ。2018/09/17
ロッシーニ@めざせ正社員
24
大河ドラマ「平清盛」でも言及されていた、白河法皇と璋子(たまこ)の関係。およそ50歳の年齢差もあって、はた目に見れば引きそうですが、権力も財力も愛情もすべて兼ね備えた殿方に愛されるという、ある意味理想的な恋愛とも言えそうですね。2014/06/06
いくら
18
待賢門院璋子の生涯を渡辺淳一テイストで描いた作品。二年前の大河を見てなかったら手に取らなかった作品。同時代を題材にした夢枕獏の『宿神』のほうが個人的には百倍好きだけど、璋子の話はじっくり読みたかったよ。よってそんなニーズは把握してくれて嬉しいが、時代小説とも言えず、官能小説なのかと疑問を抱きつつ、つまりは 渡辺淳一作品なんだなと落ち着くのでした。2014/01/04
エドワード
17
家の近くに崇徳天皇を祀る白峰神宮がある。百人一首の<瀬をはやみ>の歌が好きで、子供の頃から崇徳天皇に興味があった。父の鳥羽法皇に叔父子と呼ばれ疎まれたが、それは母・待賢門院璋子と白河法皇の秘密の恋に起因する。愛が動かす朝廷、加持祈祷、熊野詣。大河ドラマ「平清盛」で檀れいが演じた璋子は、人格障害としか思えなかったが、正確な人物造型だったに違いない。璋子を慕う崇徳天皇、璋子と敵対する、策士・藤原忠通、鳥羽法皇の寵姫・得子。鳥羽法皇の崩御後、保元の乱が勃発する。恋によって栄え、恋によって滅んた平安朝が感慨深い。2018/05/24