内容説明
国際交渉の「陰の立役者」が
舞台裏を生々しく語る
決裂必至の国際会議で合意をつくる根回し術とは?
相手国を満足させ自国の利益にもなる落としどころはどう探る? 日本外交の強みと弱みとは? コソボ軍事紛争調停から名古屋議定書まで、世界の修羅場をくぐりぬけ独自の交渉スタイルを確立した著者が、メディアでは報道されない国際交渉の舞台裏を紹介し、より尊敬される日本への道筋を提言する。
目次
第1章 世界で学んだプロの交渉哲学(すべては環境問題への関心から始まった 京都会議への参加 ほか)
第2章 「最後の調停官」と呼ばれて(相手と同じ目線に立つ 防弾チョッキは着ない ほか)
第3章 いざ、環境交渉へ(気候変動COP皆勤賞の交渉官 安全保障問題としての環境問題 ほか)
第4章 名古屋の七二時間(経済問題としての生物多様性問題 三つの重要課題 ほか)
第5章 「見えない外交」の底力(環境外交の真の姿が伝わっていない 日本の交渉官はものすごく優秀なのにもったいない ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
61
なかなか面白かった。やりがいのある仕事なんだろうな。妻が(高校生の)息子に買ってあげた本だけど当の本人には「興味なし」と放置されてるらしい。2015/11/14
マエダ
58
「国際交渉・国際調停の請負人」である国際ネゴシエーターの著者が語る交渉本。経験や知識のみではなくコミュニケーションや人間の魅了が大事と説いている箇所が多く意外な印象を受ける。2018/11/25
ジョンノレン
46
著者は学生時代から環境問題への強い関心を持ち気候変動京都会議にアルバイトで参画。たまたま国連機関に提出したボスニア・ヘルツェゴビナ紛争解決の私案がきっかけで伝説の紛争調停者セルジオ・デメロに巡り会い紛争調停の経験を積んだ後、COP10の議長をサポートする等、主席クラスの交渉官として活躍の由。交渉ノウハウはサラッと、COP10はそれなりに。語学力に長け、高い調整スキルと相手の懐に飛び込む人間力のある方なんでしょうね。語れないこともあるせいか、話がもやっとしていて何故かあまり心が動く読書にはならなかった。2025/02/01
Q
20
リミテッドにて ●一緒に結果を導き出したという達成感を共有 ●人に頭を下げるのはタダ。無駄なプライドは捨てなさい。苦労した経験を30分で教えてくれる ●長々と説明された後に全然わかりませんでしたと言う。結構響く ●相手の文化を理解し敬意を示す ●失敗したという報告をお前の口から聞きたい ●担当された仕事は自分自身で責任持つ ●トップに近い人が自分の名前や近況を覚えてるのは嬉しい ●初対面の人の個人情報を掴むと親近感や弱みに結びつく ●合意できるものから合意 ▷人に聞く勇気もっと持つべき2020/03/11
チャー
16
国際関係の舞台で活躍した著者が、交渉にとって大切となる考え方を綴った本。実際の交渉現場で起こった著者の経験をもとに、異なる文化を持つ国々の意見を取りまとめ、落としどころを探りながら合意まで持っていくプロセスは内容は大変勉強になる。報じられる国際会議では端的な表現が多いが、実際の大きな合意の前には事前に様々な下準備がされており、そのために著者を含め多くの方々が奔走されているということを改めて知った。また、事前の入念な準備が必要である一方、仕事の場を離れたコミュニケーションによる人間関係構築の重要性も感じた。2022/12/08
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