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内容説明
これまでイノベーションというものは、メーカーや研究機関からの専売特許と見られてきたが、インターネット技術の進歩に伴い、広く消費者にイノベーションの道が開かれるようになってきている。この「イノベーションの民主化」によって、企業の製品やサービスづくりが大きく変わり、多様なイノベーションが一気に広がろうとしている。それはまた、「消費者の叡智」をうまく取り込むことで、企業は少ない費用で魅力的な製品を開発できるようになることを意味している。本書は、消費者イノベーションについての世界最先端の研究成果をもとに、新しい製品・サービス開発と経営のあり方を説いたものである。マウンテンバイク、マスキングテープ、クックパッド、カヤック、初音ミク、レゴ、無印良品、エレファントデザイン、イノセンティブ、3Dプリンターなど、多くの先進事例も取り上げられている。
目次
第1章 消費者はイノベーションする
第2章 ユーザーは用途をイノベーションする
第3章 リードユーザーが低費用でイノベーションする
第4章 消費者はイノベーションを無料公開する
第5章 消費者の多様性がメーカーの能力をしのぐ
第6章 ユーザーは起業する
第7章 「イノベーションの民主化」研究の背景を知る
終章 イノベーションの民主化から何を学ぶか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
WATA
31
メーカーの商品開発者向けの本。ユーザによる製品改良のアイデアをどうやって発見するか、それを製品開発にどうやって取り込むかを紹介している。本書の結論は、アイデアを自由に発表しあうコミュニティが大きな役割を果たすということ。今の私に直接役に立つ本では無かったけれど、誰かのアイデアがコミュニティを巻き込んで広まっていき、世界をほんのちょっと良くしていく、という進歩の仕組みは理想的で素晴らしいと感じた。2014/04/09
087115
4
こういう学問があるんだ。学者同士の繋がりも面白い。企業もオープンになって行かざるを得ない。こういう本もたまには重要。2021/07/24
Sanchai
3
1年半積読にしておいた本をようやく読んだ。『民主化するイノベーション』の著者フォン・ピッペルの愛弟子が書いているので、フォン・ピッペルのコミュニティでイノベーションの民主化に関する研究がどのように展開してきたのか、各々の研究で明らかになってきたことが何なのかが詳述されている。日本人による記述は翻訳よりも読みやすいし、発刊から2年余りの間に世の中で起きてきたことも本書の記述のラインで起きていて、腑に落ちる記述が多かった。2017/06/22
ゆうすけ
1
この頃は神戸大学の経営学者の本をかなり読んでいる。2014/10/13
Takeru Takahashi
1
ユーザーが製品自体、またはその用途をイノベーションする。章の構成が明快で読みやすい。途中のエリックさんの話はどうでもよかった。2015/12/12