内容説明
就業せず社会との接点も持たないSNEPはなぜ生まれたのか? 約15年にわたり、彼らの支援を行ってきた著者が他人事では済まされない、孤立のメカニズムを明らかにした一冊。
目次
第1章 スネップの登場とその社会的背景(スネップ(SNEP)=孤立無業者とは
有縁社会から無縁社会へ)
第2章 スネップ・潜在的スネップの現実(スネップ・潜在的スネップ、4つの実例 ひきこもり支援の立場から見たスネップ・潜在的スネップの実情 スネップ状態の裏にある人生の“重さ”)
第3章 コミュニケーションと孤立(孤立とコミュニケーションの変化 コミュニケーション能力とは 根強い「自己責任」論と社会構造の変化)
第4章 15年のひきこもり支援から見たスネップ問題(社会復帰の実例から見いだせること 多種多様な社会復帰の形とは 不登校、ひきこもり、ニートへの国の支援姿勢の推移)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
25
早稲田講師と若者支援相談員による執筆。良くも悪くも、平成におけるニート、スネップはもはや社会事象。親からすると子育てをして学士様まで行けばハイ終わり!でない事を実感させられる。支援の立場からすると「優しさでは勤まらぬ」に尽きる。かといって、自助グループでは傷のなめ合いに終わりそう。だが、税金を使ってまでどこまでせねばならぬのだろうか・・とも考える。よくいわれる「後進国にはない現象」と切り捨てるわけにもいかず。世代を問わず、セルフネグレクトすら困難事例だし。まずは個々人のモチベーションの高揚からかなぁ~2014/10/26
Taka
16
弟が無職である。30になる大学さえも行けない働くより万引きを選ぶ彼が何をできると言うのか20代の若い頃は可愛げがあったようにも思うが年をとって家に引きこもっているだけでねじまがったのか性格が明らかに歪んできていて関わりたくない。働くの私だって大嫌いだよ。でも働いている。それよりも万引きを選んでしまう意味がわからない。やむに止まれてなら同情していた。違った。私も派遣なのでいつ切られるかわからない。必死にここ数年は貯金した。支援者はすばらしいと思う。私にはできない。孤独は攻撃的になるという。自分はどう備えよう2023/08/25
Humbaba
11
一度道を見失うと、そこからリカバリするのは容易ではない。多くの場合自分の努力だけではそこから立ち直ることは出来ないだろう。周囲の人間が促し、自分以外にも同じような状況にいる人がいることを認識することで、自分も頑張ってみようという気持ちになれる。2016/10/16
0607xxx
11
実家を離れ、独身で転職の際無職を経験した身としてはゾッとする点が多々ありました…SNEPという言葉を初めて知りました。孤立無業者になるのも他人事では無いような気がします…人との関わりを大事にしようと思います。2014/02/24
Humbaba
11
一度レールから外れてしまうと、元に戻るのは非常に困難である。例え仕方のない事情だったとしても、普通から外れてしまえば元に戻るためには最初とは比べ物にならないほどの努力が必要になる。余裕が有るときであればそのような努力をすることも不可能でないが、普通の道から外れるときは、多くの場合そのような余裕を持っていることはない。2014/01/10