内容説明
超ダメ男「電気ちゃん」に拾われた16歳の家出少女・鳥子(とりこ)。
乳がんの宣告をされた26歳OLの寿寿(じゅじゅ)。
凄腕の料理で男を次々と部屋に誘う38歳バツイチのきみ夜。
男性より女性を愛する超美人ホステス、紫(むらさき)。
「電気ちゃん」という奇妙な縁に引きよせられたのは、生きることがあまり上手ではない女たち。
ひとりぼっちの魂をそっと包み込む五つの物語。
気鋭のスト―リーテラーによる鮮烈な渾身作!
「魂が電気に触れたようだった。ぴりぴりと痺れる。痺れたその後、じんわりと温かく、豊かになっていく。
そして、哀しくなっていく。鳥子、寿々、紫、きみ夜、電気ちゃん。一人一人の物語は孤独で異質で透明だ。
この哀しさ、この澄んだ哀しさは、いったいなんだろう。そして、この強さは、なんだろう。
一人一人の孤独が絡み合い、もつれ合い強く鮮やかな色彩を放つ。幼い鳥子がパレットの上に残した紫の色のようだ。
人のもつ、物語のもつ、哀しみと強さがここにある。」 ――あさのあつこ
<目次>
電気ちゃん
歯がた
チョコレート
種
ざらめ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
七色一味
58
読破。え~っと、読友さんが読んでまして、なんとなく気になったので図書館で予約した本です。タイトルの電気ちゃん(アダ名)を取り巻く、連作短編集ですな。「どんどんどん」がなんの象徴なのかがわからないな。表題作の女の子の中から出て行って、【ざらめ】で姿を変えて戻ってくる。愛情ではなく、憧憬でもなく不安でもない何か。世の柵、なんでしょうかねぇ…。その他セクシャルマイノリティな【歯がた】、【チョコレート】、【種】収録です。P74の2行目の「きみ代」は誤植。2014/04/21
いたろう
38
16歳の家出少女と自分のことを電気と呼ぶ男性の話から始まる連作短編。話の展開があっさりしすぎて、ふわふわとして何か印象に残りにくいが、出てくる登場人物がそれなりにいいキャラを出しているので、まだまだ面白くなる要素を感じる。今後の作品に期待。2013/12/05
らむり
37
電気ちゃんに振り回される女性たちのお話。これはファンタジーなのか??2013/10/30
そうたそ
29
★★★★☆ なんだろう、この説明し難い魅力は。すごく良かった。ダメンズ電気ちゃんが家出少女鳥子を拾ったことから始まるストーリー。鳥子をはじめ不器用に生きる女性それぞれの物語が展開される。それぞれの関係は複雑なようで、実はすごく単純なもののように思えた。世間から見ると、少し変わった人間であることは間違いない女性たちだが、とても気になってしまう。内容的には特にクセのない話なのだが、最初から最後までなんとなくふわふわしている感じがする。読みながら、電気ちゃんをはじめとする登場人物のペースにのせられるような感じ。2013/12/30
ろくでなし@ぐーたら中
23
69点 電気ちゃんはね元気っていうんだホントはね だけど元気じゃナイから自分のこと電気っていうんだよ ややこしいね 電気ちゃん―そんな純正ダメ男と16歳家出少女鳥子の物語で始まる短編集。少ししか登場しない割に読み終わってみれば他の女達をこのダメ男が繋いでいて、奇抜な設定でキャラも渋滞し過ぎなのに妙なリアリティがある。一貫した女性視点にも不思議と入り込め、瞬間を切り取るかのような描写が印象的。この終り方は多分ダメだと思うんだけど、そう悪くない。本を閉じ装丁を眺めて気付く二度目の味わい。これが又楽しかったり。2014/06/21
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