内容説明
「あなたはこれから報いを受けるのよ――」。妻の予言通り、首都テレビのエース記者の岡村俊平は、名声も家族も失った。20年に亘る負の連鎖を断ち切るため、最後の大勝負に挑むことに。因縁の相手は時の総理大臣。魑魅魍魎が跋扈する報道現場の内幕を、TBS「NEWS23」前キャスターがその苛烈な経験を元に描く、渾身の長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tsuyoshi
65
インタビュアーを生業とした男の挫折から亡くした娘からの手紙を読んだ事で再度復活を果たすまでの話。かつて失脚に追い込んでしまった総理大臣との生放送での対峙においては何が起こるか分からない緊迫感が伝わってきてよかったし、爽やかな終わり方もよかった。スポンサーや視聴率への意識が故に、複数のメディアが横並びに特定の事象を執拗に報道する現状にはうんざりしている。現場の方もやりづらさはあるんだろうが、影響力が大きいだけに様々な視点や人々の意見を取り上げれるような報道をお願いしたい。2018/04/15
ren5000
13
なんの予備知識もなく読み始めたので作者が「NEWS23」のキャスターというのを巻末の写真見てびっくりしました。内容は自分自身がジャーナリストやマスコミにいい印象を持ってないので、主人公にまったく共感が持てずに読むのに苦労しました。それにきれいにまとまった終わり方も不満かな?2015/04/01
yumiko
6
インタビュアーという仕事に魅せられた男の挫折と再生の物語。長くテレビ業界で仕事をしている著者の描くその世界の内幕は、かなりシビア。報道と言えども視聴率を意識せざるを得ず、そのためには数字の取れる内容に偏る実情。日本のメディアは「子供のサッカー」との指摘が、スッと腑に落ちた。ただ岡村の失意にあまり共感できず、藤堂の方が魅力あるキャラクターとして私には映った。政治家に「責任をとる」と言わせることは、そんなに重要なことなの?もっとインタビュアーとしての切れ味を見せて欲しかった。2014/02/03
Snowy
4
ニュースの森やNEWS23Xのキャスターとして活躍されたジャーナリストの小説。面白いのかな、と思ったけど、正直、あまり興味が持てなかった。2014/05/17
夜梨@灯れ松明の火
4
図書館。残念ながら主人公に魅力を感じられませんでした。総理のとった行動(最後に和解したとはいえ)も一国の主なのに子供っぽすぎます。2014/02/23