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内容説明
勝利第一主義が生む体罰、いじめ、そしてマシン化する子供たち・・・。「健全な魂」も「フェアプレー」も幻想なのか? スポーツ界にはびこる病理を主に少年スポーツの現場から読み解く。そのスポーツ、子供のためになってますか?
目次
プロローグ なぜスポーツ指導者はすぐ殴るのか?
第1章 勝利至上主義とマシン化する子供たち(「勝利」のためなら全てを受け入れる “独裁的支配者”が“救世主”になる理由 個性を殺し、安住を求める子供たち)
第2章 理不尽な指導者と愚かな親(親の身勝手が暴力指導者を支えている 世の不条理はスポーツで学べ? 勘違いの教育観を改めよ)
第3章 世にも奇妙な日本的スポーツ環境(限定された時間・空間の異常な論理 根性、無気力、集団の牽制 メディアがつくる“美しき”スポーツ物語)
第4章 スポーツ系部活動のかかえる闇(顧問という名の独裁者が生まれる背景 “教育”という都合よき大義名分 三年区切りの勝利至上主義がある限り…)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
14
軍隊を作りたいんだよね。軍隊って強いから。団結して、突撃することができる。相いれないものはどんどん排除して、残ったものが素晴らしい。指揮官として、勝つことを求め、勝ち続ける愉しさを知ってしまったらやめられないよね。軍隊って考えないから愉しいよね。行進してるだけでお金がもらえる。突撃って言われたら突撃すればいい。考えなくていい。考えちゃダメなんだ。ここで突撃はとか言ってると迷ってしまうから、正しいかどうかではなくて、勝つかどうか。無数の失敗の上に成り立つんだから。2024/06/09
T.Y.
6
スポーツが本来孕む暴力性、現代に蔓延する勝利至上主義、スポーツの理不尽が教育的効果を持つという信仰、部活動という閉鎖的で歪んだ世界etc...スポーツ(もっぱら少年スポーツ)において体罰や子供を潰すような指導がまかり通る理由を分析する。現代の親や子供達の考え方か、はたまた日本スポーツ界の古く悪しき伝統か…問題の根は複数ありそうだが、いずれにせよきわめて深刻。2013/09/23
kera1019
5
子供達のスポーツに関して、子供の成長や生活態度、保護者や関係者の活動など、本当に素晴らしいと思うことが沢山あるだけに、桜宮高校の事は大きなショックでした。子供達のスポーツ活動に関わる人達の殆どがボランティアのような状態で、大変な時間を費やされて精神的な支えとなっておられる方も沢山おられます。そういった熱意が誤解、非難されないよう願うし、私自身保護者の一人として微力ながら子供がスポーツから何を学ぶか考えてあげたい。2014/07/09
Mituya Hasegawa
3
勉強させていただきました!2013/09/28
TOMTOM
2
スポーツと教育、子どもの健やかな育ちという視点で見てみると、今の日本の現状はおかしなことばかりだと気づかされたし、自分自身も揺らいでいた部分を見つけることができた。「教科授業の中で先生に質問したらそこから先生がきちんと受け止めて授業を深め、学びの視座を広げることになるが、部活で質問したら顧問はキレて教えもせずにへそをまげることもある。部活を教育の一環と言うならば、きちんとしようよ」というくだりが納得。マスコミの論調も含め、変わらなければいけないことが満載。2014/02/14