講談社選書メチエ<br> 海の武士団 水軍と海賊のあいだ

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講談社選書メチエ
海の武士団 水軍と海賊のあいだ

  • 著者名:黒嶋敏【著】
  • 価格 ¥1,595(本体¥1,450)
  • 講談社(2013/10発売)
  • 盛夏を彩る!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/27)
  • ポイント 420pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062585620

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内容説明

「一所懸命」の語が象徴する、土地の支配を基盤とする武士とは異なった形態の武士団が中世にはあった。地場の海を「なわばり」とし、航行する船から通行料を徴収し、あるいは「海賊」として略奪する、「水軍」とも「海賊」ともつかぬような「勢力」。「海」側の視点から中世の始まりとともに出現した特異な「武士団」の興亡を描く、これまでにないユニークな日本中世史。(講談社選書メチエ)

目次

第1章 港と武力と徳政(暴力の港 政治権力と関 そして徳政)
第2章 ナワバリを越えて(北条氏権力の置き土産 “海の勢力”と手を結ぶ室町幕府 癒着の温床 室町幕府と“海の勢力”の編成)
第3章 冬の時代へ(戦国大名と他国者 廻船衆の台頭 織田信長と“海の勢力” 秀吉海賊停止令の読み方)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

14
ローカルな縄張りの論理で交通量徴収や略奪を働いていた「海の勢力」と呼ぶに相応しい海民たちの歴史。海賊とも水軍とも武士とも言い切れない人々だから海の武士団とか安直に言っちゃダメだよ!って言ってるのにタイトルがご覧のとおりなのは編集者の強行によるものだろうが、売ることを考えるとこれで正解か。時の権力がそのローカル勢力を上手く統制できなかったり、あるいは自分たちの勢力に取り込もうとした試みから日本中世の混沌さを伺うことができる。意外にもその衰退は戦国時代以降で、社会の変動の過程で居場所をなくしていったのだそうな2015/09/23

軍縮地球市民shinshin

9
江戸時代になるまで、鎌倉・室町・戦国期には海を活躍の場として、海賊行為や交易を主としていた「海の勢力」が存在した。江戸幕府成立に伴って、それら「海の勢力」は幕臣や石高の少ない大名になってしまうが、ほとんどが武士身分を捨ててしまったらしい。中世という時代にはまさに多様な人々が跳梁跋扈していたのだなぁと感じた。色々と勉強になる本。著者は編集者が考えた「海の武士団」という言葉にかなり違和感を抱いていて、本文中では「海の勢力」と一貫して使っている。「武士団」という印象は感じられないので、著者の判断は正しい。2015/05/17

ivnin

5
海、港、湖畔を支配する悪党達を「海の武士団」というと御家人っぽくて紛らわしいから<海の勢力>と呼びましょうという地に足がついた主張。警固上乗、津料。寄船はローカルのもの。中世の海の収奪についてよくわかる。足利政権の入間幕府が一蹴されていて残念に思ったが、主張はもっともである。2014/03/18

maqiso

4
中世には港や海を本拠とする勢力が存在した。権力者に従うときは水軍と呼ばれ抗うときは海賊と呼ばれる。船は安全な航行のために津料や上乗を払い、寄船と見なされ積み荷を奪われることもあった。鎌倉幕府は全国の武士を従わせることができず、室町幕府は主従関係を結んで海賊行為を黙認した。廻船による流通が盛んになると廻船衆や戦国大名によってローカルルールが否定されるようになり、豊臣政権が海賊・関所を恒久的に停止したことで海の勢力は消えた。2022/08/20

なつきネコ@たくさんの本に囲まれてご満悦な化け猫

4
海と海を漂う人々。あたりが妥当な内容。彼等は何者かと言うのも彼等にも答えられないんだろうな。商人か漁民か、はたまた武士か。なんか、妙なロマンを感じる。しかし、この辺りのローカルルールに従う。日本のオラんちがルールが中心主義は昔からあって、時々の政権はそれと対峙して来たんだな。海に自由に生きていながら、ナワバリ意識を棄てられない日本人なんだな。2014/02/04

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