内容説明
警察官を振り切って自宅マンションより逃走した日から逮捕されるまでの二年七ヵ月、どこでどのような生活をし、何を考えていたのか。北は青森まで、そして四国、沖縄、関西、九州の各地を電車、船、バス、自転車、徒歩で転々と移動した。英国人女性殺人事件で逮捕・起訴された市橋達也が「逃げた後、捕まる」までを綴る。拘置所からの、懺悔の手記。
目次
第1章 裸足―2007年3月26日から4月頃
第2章 北へ―2007年4月頃
第3章 お遍路―2007年4月中旬から5月中旬
第4章 島―2007年5月中旬から6月頃
第5章 働く―2007年6月頃から9月頃
第6章 飯場―2007年9月頃から2008年8月中旬
第7章 貯金―2008年8月中旬から2009年10月中旬
第8章 病院―2009年10月中旬から11月10日
終章 逮捕―2009年11月10日
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
106
リンゼイさんを殺して逃げた市橋達也の手記。文章が上手くて驚く。絵も上手いが、絵に自閉スペクトラムの特徴がよく出ている。拘りが強く、予想外に批判されるとカッとなるタイプ。何故2年7ヶ月も彼は逮捕されなかったのか?孤独を感じていないのだ。誰とも繋がらず、土地勘のない沖縄の離島と大阪の飯場を行き来する生活。本好きで、島で読む為にThe Catcher in the Ryeを原著で買う場面や、四国遍路しながら我に返る描写に、不覚にもこういうとこ好きだなあと思ってしまった。面白かった!人の気持ちは学んで欲しいけど。2023/06/25
コージー
26
★★★☆☆2007年英会話講師リンゼイさんを殺害した市橋達也の自著。殺害後から逮捕されるまでの2年7ヶ月の逃亡記録が克明に記されている。事件の真相や市橋の内面を語る記述はほぼなく、野宿や逃亡先での労働など、サバイバル的なストーリーが中心。個人的な感想としては、作文のような稚拙な文章であり、心を揺さぶられるような場面はなかった。言わば、彼が直接見たものをそのまま日記に記したような内容である。しかし、あの極限の心理状態で冷静に周りを観察しているところは脱帽である。ノンフィクションの作品として見れば面白いかも。2020/11/19
アリ子
26
着の身着のまま裸足で逃走なのに、全然見つからなかったのは何故だろうという疑問から読んだ。実際は、外出しようとしてお金もある程度持っていたようでちょっと納得した。2016/06/02
ありちゃん@道東民
25
頂き本。どのような内容で、事件のことも語られているのかと思えば、ただの逃亡記録に過ぎないものであった。時折、リンゼイさんに対する罪悪感のような文はあるが、人を殺めたことに関しては感じられなかった。うっかり死なせてしまったような表現にしか思えず、何故彼がこれを書いたのかの理解ができずにいたが、彼はマスコミにあることないことを言われ報道されることに我慢ならなかったのだろう。ただ、非常に頭の良い人物で、生きることに長けていると思った。文才もある。今後、しっかり自分と向き合い罪を償い続けて欲しいものである。2018/10/25
りー
14
こういう本を出版していいんだろうか?僕が指名手配犯だったら犯行後の逃亡の手引きにしちゃうね。臆病で慎重な性格が幸いしての長期逃亡、犯罪者諸君にはおおいに参考になると思う。まあそんな話はさておき、世代が近いからか生活空間が近かったからか、その発想や行動原理に近しいものを感じた。犯行を後悔はする、しかし捕まるのはもちろん嫌で、逃亡しながらもまじめに生活する。そんな姿勢には共感すら覚えてしまう。僕でもきっとそうする。なんとなく水嶋ヒロが書いた小説を思い出した。著者の叩かれっぷりのせいだろうか。2013/09/04
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