内容説明
同人誌、PR誌に書かれて以来、書籍に収録されないままとなっていた知られざる名ショートショート。日本人 火星へ行けば 火星人……「笑兎(ショート)」の雅号で作られた、奇想天外でシニカルなSF川柳・都々逸。子供のために書かれた、理系出身ならではのセンスが光る短編。入手困難な作品や書籍、文庫未収録の作品を集めた、ショートショートの神様のすべてが分かる、幻の作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
186
新潮百冊】いきなりSF川柳101句。掌編小説の順番があれ、あれっと思って最後まで読み進むと、単行本未掲載の話を集めたもののこと。なるほど。途中、やや、起伏についていけないところもあった。最後は科学小説と推理小説と冗談掌編。全体としては星新一品質を確保していると感じた。子供向けのものは漢字に直したものもあるとのこと。星新一愛好家は必読。広告誌で気を使った作品も掲載誌名を見て、にやにや。2014/07/10
KAZOO
157
星さんの本はこの新潮文庫で最近2冊出されていてこれが最後の作品集となるのでしょうか?最後のページにショートショート全作品読破認定証というページがありました。子供の雑誌やそのほか様々なミニコミ紙などに書かれたものを集めたようです。私は長篇も関連作品もほとんど読んでいますのでこれが本当の最後なのかもしれません。再再度読み直しましょうかね。2016/04/08
Tetchy
131
星新一の未収録作品を集めて新作が発表されるという報を聞いた時、非常に懐かしいという思いが込み上げてきた。正直な感想としては、書籍として纏められていない作品ばかりということでさすがに玉石混淆の感は否めない。さてそんな作品集だが、個人的には「ミラー・ボール」、実に星氏らしい皮肉とユーモアが効いているのが「タイムマシン」、「見なれぬ家」、「文明の証拠」、「お正月」、「魅力的な噴霧器」の5作がよかった。収録作数を考えると決して高い打率とは云えないが逆にまだこれだけ読ませる作品があったことを発見できたことが嬉しい。2013/12/04
扉のこちら側
92
2016年183冊め。星新一の熱心な読者というわけではないで「幻の作品集」に特に期待はしていなかったけれど、同じ新潮文庫の既読本「ボッコちゃん」や「ノックの音が」等と比べると、大味な印象。一番印象に残っているのは巻頭に近いところの「ミラー・ボール」。その他の作品だと、21世紀を想像した時に携帯だったりインターネットだったりの発想がまだまだ出ない60年代頃の作品だなあという印象。おもしろかったのといえば、各作品の初出雑誌名を読むことだったり。2016/03/19
ケイ
78
数年前に子どもへの読み聞かせで既読。小学四年生などに書いたものがあるので、アラビアンナイトのように一夜一話で読んでいたが、明らかに大人向けのものもあり、これ大丈夫なの?わかる?って思いながらだった。しかし、それは杞憂で、子どもはそれなりに楽しんでいて、まさにはまっていた。SFチックなところがいいのかな。個人的には「ミラー・ボール」色々と考えながら読めるので謎解きのようで楽しかった。2014/07/05