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内容説明
NASAは「生命はどこから来たのか?」を21世紀の宇宙探査のテーマとし、「アストロバイオロジー」と名付けました。これは「生命とは何か」「生命はいかに地球に出現し進化したか」「我々は宇宙で孤独な存在なのか」が柱となります。本書は、惑星科学の第一人者・松井孝典東大名誉教授が「アストロバイオロジーの本は多く出ているが、本質的な問題を論じたものは少ない」として筆をとった、惑星科学論の決定版です。最新の宇宙探査データから、生命の起源と進化、地球外生命体の可能性についても論じる、惑星科学における最新情報満載の一冊!
目次
第1章 アストロバイオロジーとは
第2章 生命起源論の歴史的展開
第3章 宇宙と生命
第4章 生命とは何か―地球生物学の基礎
第5章 生命と環境との共進化
第6章 分子レベルで見る進化
第7章 極限環境の生物
第8章 ウイルスと生物進化
第9章 化学進化―生命の材料物質の合成
第10章 宇宙における生命探査
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
♡kana*
20
個人的、夏の課題図書(笑) 【赤い雨】から、話が広がって、生物、宇宙、進化、ウイルス、……と。生物の初心者の私にも分かりやすい内容で、興味深いことばかりです。どうやって生命が誕生したのか、宇宙のどこかに生命が存在するのか、まだまだ分からないことばかりなんですね。地中生物、極限生物。 また、学生になれるとしたら、研究してみたい分野。 【科学上の新発見は、常識にがんじがらめにとらわれていたら難しいのです。】【細胞内共生説】【死とは、エネルギーが供給されなくなって、乱雑になっていくことです。】【チューブワーム】2015/09/13
あちゃくん
19
宇宙のこと、生命のこと、地球のこと。知的好奇心の地平は限りなく広がっているんだなということにワクワクさせられます。こんなことまでわかったんだという感心と、でもまだまだわからないことだらけなんだという驚きとが入り混じった興奮がおさまりません。2013/09/23
みのくま
7
読む事で、価値観が転倒する、又は世界の真実に触れられた気がする本はそう出会えるものではないが、本書はそういう類いのものだ。本書は、単純な自然科学系新書の入門書ではない。「我々はどこから来たか」「生命とは何か」がある種哲学的に考えさせられる、とても射程の広いものであった。特にウイルスを生命とするかどうかといった「生命の定義問題」は非常に興味深い。そしてアリストテレスから端を発した「人間・地球中心主義」へと迷走する文明。これは「中動態の世界」にも通じる問題だ。とりあえず、スリランカの赤い雨の勉強をしよう。2017/09/10
武夫原
7
松井さんといえば、宇宙論の論者だと思っていたが、さすが第一流の研究者はちがうな。内容はそんなに専門的ではないけれど、いろんな分野の成果をまとめています。考えれば考えるほど、人間のDNA構造はどうやって出来たのか不思議だ。一昔前なら、宇宙から生命の元が来たなんていえば荒唐無稽の話と切り捨てられたのかもしれない。或いは地球の生命は地球で生まれてという常識にとらわれていたのかもしれない。原始地球で元素に化学反応が起きてアミノ酸になり、それが原核生物になる道筋が分かればすごいなぁ。 2015/05/24
belier
5
アストロバイオロジーの入門書。つまり、生物、化学、進化論、物理など、宇宙に生命を探査する際の基礎知識を説明した本。だいたい一度は読んだことのある知識が体系的にまとめられていて、いい復習になった。惹きつけられたのは「極限環境の生物」。地球の生物が誕生した環境の候補として、極限環境は進化の本でもホットな話題だったので知っていた。太陽系の他の天体で、火星は言うまでもなくタイタンなど衛生で似たような環境があり、微生物が誕生し存在している可能性はある。生きているうちに大ニュースが聞けるかもという期待が再び膨らんだ。2021/08/04