光文社古典新訳文庫<br> 消しゴム

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光文社古典新訳文庫
消しゴム

  • ISBN:9784334752750

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内容説明

殺人事件発生の報せを受けて運河の街にやってきた捜査官ヴァラス。しかし肝心の遺体も犯人も見当たらず、人々の曖昧な証言に右往左往する始末。だが関係者たちの思惑は図らずも「宿命的結末」を招いてしまうのだった。〈ヌーヴォー・ロマン〉の旗手、ロブ=グリエの代表作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

100
さまよえる捜査官が辿り着いた「殺人事件」の真相とは? 物語は、時間と人物が交錯し続け展開します。 面白いが難しい。2021/04/04

harass

73
ヌーボー・ロマンの代表作家のデビュー作。解説を先に読んだほうが仕掛けと意図を理解しやすい。「殺人者」「被害者」「捜査員」の登場人物たちの役割がある推理小説の形を借りているが、わざと伝統的な「小説」らしさを踏み外していて、その狙いを気にかけると楽しく読める。登場人物たちが意志薄弱だったり、虚構であることを意識し、無意味にやたら精密な描写や、人物たちの言動はカフカ作品を連想し吹き出してしまった。筒井の「虚人たち」(1979)の元ネタか…… 何か裏切られたような気分に。1953年にこの作品は確かに驚愕だ。感心。2017/05/06

HANA

59
最初のヌーヴォー・ロマンという触れ込みだけど、正直フランスの文学潮流に弱いものだから従来のものと比べてどう違うのかよくわからない。後書きによると構造主義とマルクス経済学の物の影響を受けたものらしいけど、現在どっちも終わってるような気がするしなあ。内容自体は結構好き。特に文体、極めて硬質で徹底的に描写された人の行動等、何となくモノクロのフランス映画を見ているような気分になれる。探偵役の眼を通して描かれる町が迷宮の様で彼自身の行動も彷徨っている感が強く、どことなく霧の中を彷徨しているような読み心地であった。2017/03/08

奥澤啓

57
80年代に仏文科の学生・大学院生だった私にとっては、ロブ=グリエ(1922年-2008年)が、今では「古典」として考えられていることが驚きであった。『消しゴム』は1953年刊行の作である。そういえば、10歳ほど年下のひとから「鷗外は古文でしょ!」といわれて、かなり、面食らったこともある。私は「すくなくとも、親分ではない!」と、その時は、答えたのだが・・・ 鷗外は古文ではない。中条さんの訳はうなるような名訳。名作をどんどん新訳でだしてほしいものだ。フランス文学はいまや絶滅危惧種という話もあるのだが・・・。2015/05/26

拓也 ◆mOrYeBoQbw

50
ポストモダン長篇。サスペンスの手法を使った不条理劇とも言える、ロブ・グリエのデビュー作です。近いのはボルヘス『死とコンパス』、安部公房『燃えつきた地図』あたりでしょうか。”死体の無い殺人事件”を巡る物語で、エピグラフ&様々な場面で『オイデュプス王』がモチーフになっているのが示唆されています。文章表現も私好みで、何度も繰り返される場面の反復。感情表現を最小限にした会話と行動の人物表現と、人間臭さを廃したグリエ独自の無機質なリアリズムが、逆に物語に入り易くて読み易いですね(・ω・)ノシ2017/03/22

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