実業之日本社文庫<br> 萌えいづる

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実業之日本社文庫
萌えいづる

  • 著者名:花房観音
  • 価格 ¥473(本体¥430)
  • 実業之日本社(2014/04発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784408551395

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内容説明

京おんなのエロスは業が深い――『女の庭』で話題騒然の団鬼六賞作家が贈る、現代版・愛欲の「平家物語」。京都にある平家物語ゆかりの小さな寺には、参拝客が想いを綴るノート「忘れな草」があった。悲しみを抱えて、ひとり訪れた女たちは、誰にも言えない秘密を書き残す。結婚前につきあっていた男との営みが忘れられない女(第一話 そこびえ――祇園女御塚)、年下の男とのフェティシュなセックスに溺れる女(第二話 滝口入道――滝口寺)、仲が良いはずの夫から突然離婚を切り出された女(第三話 想夫恋――清閑寺)、愛人の座を奪われ孤独に生きる女(第四話 萌えいづる――祇王寺)、子どもを亡くし離縁した夫と身体を重ねる女(第五話 忘れな草――長楽寺)……濃厚なエロスと、深い悲しみが心身に刻まれた女性たちの運命のゆくえを、古都を舞台に抒情豊かに描く、感動の官能小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

❁かな❁

163
アンソロジーでしか読んだことがなかった花房観音さんの作品を初めて読みました。平家物語ゆかりのお寺にある参拝客が想いを綴るノート「忘れな草」。人には言えない秘めた想いが綴られている。女性視点なので官能小説のような内容ですが女性向け。昔つきあっていた男性との行為が忘れられない女性や愛人の座を奪われた女性など切なさも描かれる。全て京都が舞台になっていて雰囲気がいい。年下の男性との大胆な行為や別れたのに体の相性が良くまた受け入れてしまうなど赤裸々に語られていく。共感できるところもあり、大胆なのに品を感じる短編集。2017/11/26

じいじ

68
 花房観音小説の魅力の一つは、大好きな京都を舞台にした静寂な情緒情景にひたれることだ。本作は、平家物語ゆかりの由緒ある京都の神社仏閣を背景に綴られた5短篇集である。それぞれ人物設定、舞台構成に変化があって面白い。或る日、藪から棒に夫から離婚届が…、原因は「自分自身にある」と自己分析する冷静沈着な妻の対応に好感がもてる[想夫恋]。表題作[萌えいづる]は、一人の男を愛した二人の女の話。別れた男の影を追憶する女の心うちが愛おしい。[忘れな草]も印象深い作品だ。これまで読了の中では、官能の毒はキツメの小説である。2016/01/30

p.ntsk

50
【読メエロ部】京都を舞台に平家物語ゆかりの場所やエピソードをモチーフにした5つの短編集。花房さんお得意のどろどろとした女の情念が様々な愛の形で描かれている。官能指数はほどほど。 2019/12/17

90ac

44
エロスで有名な作家さん。古本店にあった。初読み。裏表紙に濃厚なエロスなんて書いてあるけど、性描写はAV並で濃厚だとは感じないけどなぁ。平家物語に登場する人物に関係するお寺と、そのお寺にまつわる話を、現代の男女に置き換えて作られたような作品です。微妙によく似ていて面白い。第三話が良かった。やきもちにも似た衝動が突き上げてくる様がいい。第一話に出てくる「幽霊子育て飴」は六道の辻から六波羅蜜寺への曲がり角にあり、以前通ったときにはすでに店終いしていて買えなかった。ぜひ次回には買いたい。2016/07/31

カピバラ

30
「そこびえ」が一番良かったかな。平家物語の逸話を現代風に置き換えてみたら?という嗜好は嫌いじゃない。2015/03/11

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