内容説明
19歳、童顔のアイドル・高梨美和子はデビューすぐさまトップの座へのぼりつめた。その実彼女は、カリフォルニア大を卒業、理論物理学と哲学の修士号をもつ天才だった。虚栄にまみれた芸能界では、クスリや秘密売春、大手芸能プロの暴力沙汰など事件がいっぱい。行きつけのジャズ・バー「ゼータ」でそれを知った美和子は、持ち前の頭脳と正義感で自らおとりになり、マネージャーの岡田、情報通の作曲家・井上、凄腕スタントマン・長谷部の協力を得て、芸能界のワルどもを一掃するのだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
178
19歳のトップアイドルが理論物理学と哲学の天才で、アイドルしながら探偵まがいの活躍で業界のワルを懲らしめる。事件に謎が無い上に展開に捻りが無いからどこか一本調子なのだ。学者の顔も話とはほとんど関係ないし。軽く読めて展開が速いので好きな人は楽しめるのだろうか?今野さんにあまり美少女主人公は向いてなかったか。92年の作品らしい。色々なジャンルを試みていた時期なのかな。この設定だったら深町秋生さんあたりが捻りを効かせて描いてくれたかも。2021/10/28
はつばあば
70
面白いと云うべきか、今野さんのアイドル好きを鼻であしらうべきか・・。耳はBSの水戸黄門、目は天才アイドルの悪漢退治。ほんの少し前は「蛇行する月」の清美さんと会っておりました。昭和と平成の女の違いか・・。女に生まれた以上誰でもヒロインになりたい。本を読むにも夢をみたい。息抜きにピッタリ本。但し、同姓から見たら天才だけあって喰えん女かも。男性からみたらエンジェルだわ(^^♪2017/07/24
ウッディ
67
軽く読めるけど、あまり内容がない! アイドルが主人公のサスペンス。2016/10/25
あすなろ
67
今野氏の作品は、本当にキャラクター設定が上手い。古い作品の改題収録のようだが、そこは変わらない。いるかいないかのアイドルが主人公。漫画を読まない僕には、こういう軽い明瞭なタッチの作品の読書が時々必要。こんなアイドル、いないだろうけどいたら追っかけしてしまう⁈2014/12/27
ちょこまーぶる
63
気軽に面白く読めた一冊でした。博士課程に在籍していることを隠してアイドルをしながらブレーンと共に悪事と戦うという内容は面白かったですね。そして、アイドル業界の暗い闇にメスを入れながら成敗していく過程に、プチ応援しながら読み進めました。そして、何より驚いたのが作者が作家の前に音楽業界に身を置いていたということを知り、結構裏事情に詳しいことが腑に落ちましたね。で、作者の経歴を調べたら、僕の故郷の隣町三笠市の出身で、故郷の岩見沢にも住んでいたことがあることを知り驚いてしまいました。親近感が一気に爆上がりでした。2025/05/28