単行本<br> チャイルド・オブ・ゴッド

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単行本
チャイルド・オブ・ゴッド

  • ISBN:9784152093813

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内容説明

1960年代のテネシー。孤独で暴力的な若者レスター・バラードは、凄惨な連続殺人に手を染める。ピュリッツァー賞受賞作家が1973年に著した、死と暴力と性に彩られた問題作がついに邦訳!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

119
人はみな神の子だ。アダム以来。誰もが愛されなくてはいけない。愛されることをしらなくては。マッカーシーは、紛れもなくスタインベックの継承者だ。ここにもハツカネヅミを潰してしまうしかない男がいる。ジャック・ニコルソンが、いつのまにか、悲しそうな歪んだ顔をして頭の中にいた。読んでいる途中は、何度も殴られたような気分になった。最初にレスターが激しくされたように。2020/08/02

buchipanda3

96
一人の男の赤裸々な姿を神の如き目線で追ったドキュメンタリーであるかのようで、息を詰めながら読んだ。その男が野卑で非道な罪に塗れていく人生が描かれる。彼の所業はエグい。しかし感情的なものを排し、目の前の剥き出しな行動(彼の周囲のも)を淡々と写し撮る語りが読み手に冷静な視点を与える。そして時折挿まれる天上の声のようなものと人が入り込んだ自然が見せる無垢な光景が人間の在り様を気付かせる。彼はあなたに似た神の子、人はずっと不変の憐れむべき存在だと。著者は現代的な背景に留まらず、より奥深い目で人間にレンズを向けた。2024/03/16

けい

65
詩文の様に展開される美しい文章の中で語られる主人公レスター・バラード孤独と異常、全く語られない主人公の胸の内、まるで物でも見るかの様に彼の行動を綴っていく。全く感情移入を許さない文章ゆえに、逆に引き込まれてしまいました。2014/01/28

Vakira

60
“レスター・バラード” コーマック・マッカーシーはまた「ブラッド・メリディアン」のホールデン判事、「血と暴力の国」のシガーに次ぐ強烈なキャラを創り上げた。なんたって“神の子”。あれ? いやいや この本1973年の作品なので執筆順にみると“レスター・バラード”が最初だ。マッカーシー節炸裂。「」のない会話。ワイルド&バイオレンス。住む土地を奪われた青年。森の中の生活を強いられ、ある事件に出会う。命の亡くなった少女との性愛体験が銃爪となった。黙れ!俺を蔑むな!会話のコミュニケーションなんてクソ食らえ!2020/06/10

市太郎

38
本書はノーベル賞候補とされる著者が、まだ知る人ぞ知る作家だった頃に書かれた長編第三作目にあたる。アメリカではあまり売れなかったそうだが、日本でもたぶん売れないだろう。それは、小説の出来が悪いというわけではなく(むしろ出来は良い)本書に殺人、屍姦、近親相姦といったショッキングな描写が多分に含まれているからである。嫌いな人は冒頭の脱糞のシーンからして胸糞悪くなるだろう。内面描写を一切排除し、哲学的、詩的、神話的に綴り、研ぎ澄まされた文章はいつものコーマック・マッカーシーで好きな人なら大いに満足できる。(続く)2013/07/11

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