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内容説明
『桃太郎』や『ウサギとカメ』など、慣れ親しんだ物語の展開についつい「そういうものだから」と流してしまうことは多いものです。しかし「なぜ、桃太郎は柿でもなく、スイカでもなく、桃から生まれたのだろう?」「『ウサギとカメ』のウサギは、なぜゴール直前で寝てしまったのだろう?」「おとぎ話に出てくるキノコはなぜ水玉模様なのか?」など疑問を持って見てみると、隠れた面白さが発見できるかもしれません。農学博士である著者は、次々に湧いてくるこれらの疑問を生物学的に考察していきます。本書で紹介するお話は『白雪姫』をはじめ『三匹の子豚』『舌切り雀』『アリとキリギリス』『竹取物語』など、誰もが一度は見聞きしたことのある、なじみ深いものばかりです。もう一度童心に返ってその世界に触れてみれば、物語の新しい魅力を発掘できるでしょう。『おとぎ話の生物学』 を改題。
目次
桃太郎はどうして鬼退治に出かけたのか?―桃太郎<br/>ウサギはなぜカメに負けたのか?―ウサギとカメ<br/>竜宮城はどこにある?―浦島太郎<br/>森のキノコはなぜ水玉模様なのか?―白雪姫<br/>オオカミなんか怖くない?―三匹の子豚<br/>スズメのお宿はどこにある?―舌切り雀<br/>タヌキは本当に化けるのか?―キツネとタヌキの化けくらべ<br/>カチカチ鳥の正体は?―かちかち山<br/>本当にキリギリスが悪いのか?―アリとキリギリス<br/>ジャックと豆の木は天に届いたのか?―ジャックと豆の木〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青龍
10
図書館本。聞いたことのある解釈が2/3ほどだったけど、楽しめた。ただ、「さっちゃん」という子を登場させる必要があったのか、疑問。2018/02/27
Te Quitor
10
どこの馬の骨か分からない奴が鬼を退治しに行くお話(ひねくれ目線で見た「桃太郎」)。桃から生まれる摩訶不思議怪奇現象はともかく、何故わざわざ遠くまで鬼を退治に出かけるのだろう。童話・おとぎ話は疑問を持とうと思えばいろいろ出てくる謎の世界。昔話を生物学的+お父さんの視点で解説しているこの作品は興味深い。奥が深く、面白い解釈があるものだなと感心した。2016/04/21
とんぼ
2
昔話の設定なんてそういうもんと思ってるから、突き詰めて考えたことなんてないけど、結構理にかなったお話なんだなあ。昔の人すごい。「ウサギとカメ」が特に目からウロコ。ウサギは慢心からあそこで寝ちゃったんじゃないのか! 絵本の挿絵がそこまで考えて描かれてるはずもないが、偶然の必然ってすごいな~。あと「カチカチ山」。まさかの“タヌキ”じゃなかった説!(笑) 「白雪姫」の夢オチならぬ幻覚オチは切なすぎるよ~。ニホンオオカミの話はやりきれない。桃太郎が鬼退治へ行った理由は…日本一のヒーローも中身はただのオスってか。2013/08/07