- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
1960年代から80年代にかけて、多くの子どもたちが夢中になったウルトラシリーズ。ミニチュアや着ぐるみを駆使して、あたかも実写のように見せる独自の特撮技術を有し、日本のみならず世界の映像業界をリードしてきたはずの円谷プロは、なぜ、乗っ取られてしまったのか。(講談社現代新書)
目次
第1章 円谷プロの「不幸」
第2章 テレビから「消えた」理由
第3章 厚かった「海外進出」の壁
第4章 円谷プロ「最大の失敗」
第5章 難敵は「玩具優先主義」
第6章 円谷商法「破綻の恐怖」
第7章 ウルトラマンが泣いている
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やきいも
89
ウルトラマンを産み出した円谷プロの歴史を元円谷プロ社長がたどった本。ウルトラシリーズが好きだった私には興味深い内容であっという間に読んでしまいました。円谷プロの栄枯盛衰を赤裸々に書いていて読んでて痛々しかったです。2016/07/17
Bugsy Malone
76
創業者円谷英二氏の孫でもある6代目社長英明氏が語る、円谷一族追放に至る「円谷プロ」の反省記。ここに書かれている事が一個人の意見ではなく、真実とするならばあまりにも哀しく情けなく思えてしまう。子供達に夢を与え、作り手達が夢見たウルトラマン。「ウルトラ5つの誓い」を胸に刻んだ子供達のウルトラマンは、決して泣いてはいけないのです。2016/08/29
山田太郎
72
ファミリー企業のワンマン社長にはなかなか逆らえたもんでもないし、自分の子供はやっぱりかわいいので、それはいくらアンポンタンな息子でもつがせるよなとファミリー企業に勤めている私はそう思った。当然会社のお金は自分のお金だから社員のことなんか知ったこっちゃないと思った。2015/05/15
シブ吉
62
「発射‼」の掛け声とともに炸裂する火薬。怪獣は激しく身もだえして暴れ始める。正に迫真の演技。街並みを破壊する怪獣を見ながら、「あいつ、今日は動きがいいな。だいぶ上達したじゃないか」特撮スタッフが感心していると、着ぐるみの中から、ぶすぶすと煙が。中の役者は熱くて本気でもだえ苦しんでいたのだ。特撮の神様「円谷英二」さんの孫の英明さんが子どもの頃に見た現場話に笑いつつ一気読み。キャラクタービジネスを先駆けた円谷プロの、まるで平家物語の様な「栄枯盛衰」に、この後の物語がどうなるのかが気になってしまいました。2013/08/11
goro@the_booby
61
同族企業の典型例。ウルトラマンの偉大さに胡坐をかき、いつのまにか重圧となって押しつぶされた円谷一族の円谷プロの経緯と嘆きでしょうか。ミニチュア特撮世代の身としては悲しいものがありますが、良いものを作れば作るほど赤字だったのですね。驕り過ぎて次の手に移行出来ずに楼閣は崩れた。テレビ番組制作の限界で映画だったら違ったかもね。円谷英二が担当した「モスラ」の台風シーンとか迫力出てたのが思い出されるし「平成ガメラ」のミニチュア特撮も感動したんだけど、テレビじゃ無理だわな。ウルトラマンよ永遠なれ!2016/07/08