農業超大国アメリカの戦略―TPPで問われる「食料安保」―

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農業超大国アメリカの戦略―TPPで問われる「食料安保」―

  • 著者名:石井勇人【著】
  • 価格 ¥1,408(本体¥1,280)
  • 新潮社(2013/12発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103342519

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内容説明

金融、軍事、ITと並び米国が世界を制する力の源泉の一つとなっている、米国の図抜けた農業生産力。種子ビジネス、農機メーカー、大学・研究機関、穀物商社、農政議員、国家機関──。多様な側面から米国農業を徹底解剖し、その連携のメカニズムを明らかにするとともに、TPP交渉で日本市場の何を狙っているのかに迫る。

目次

序章 農業大国米国の素顔
第1章 日米「フード・セキュリティ」の温度差
第2章 世界の種子ビジネスの支配者
第3章 米国農業の根底を支える産学連携
第4章 米国政府と共に歩んできた大型農機の覇者
第5章 オバマ農政に見る米国農業の二面性
第6章 流通を牛耳る巨大穀物商社の正体
第7章 TPPの前哨戦としての日米牛肉交渉

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

26
非選択制除草剤:無差別に雑草も稲も野菜も全面的に枯れさせ、昆虫や小動物の居場所も奪う農薬(21頁)。重要なポイントは、日本の養豚用の飼料が、残飯などの国産品から輸入穀物に転換したこと(38頁)。重要な点は、家畜の種類によって穀物の消費量が異なること(46頁)。フード・デザート食料難民:米国では、交通手段の制限や貧困による食料入手難(167頁)。アクアポニックス:魚養殖アクアカルチャーと水耕栽培ハイドロポニックの合成語。窒素、リン酸を水耕栽培の肥料に活用、環境負荷低下(174頁)。2016/01/16

coolflat

5
1章は日米のフードセキュリティの解釈の差から、食料自給率、日本の農政の問題を説明。2章は種子企業の戦略。遺伝子組み換え表示義務撤廃は悲願。3章は地域密着の産学連携高等教育。日本と違い、米国の大学の農学部は現場との強い双方向性あり。4章は農機具企業ディーア社。種子企業との共同による新しい栽培技術の確立。5章は米国内の地域密着型有機農業。6章は穀物企業。付加価値の低い穀物から、より付加価値の高い畜産物の輸出への転換。7章はTPPの本質。TPPは関税を全廃する協定でなく、通商や貿易に関するルールの統一である。2013/11/10

ぼのまり

5
アメリカの農業戦略とこれまでの交渉経緯などについて解説した一冊。TPPを今進めるべきかどうかという議論はあるが、グローバルな観点で考えれば自由化の流れは止められないと私も思う。著者の述べるような、自国農業の強みを活かした輸出促進や6次産業化は必要ですね。2013/08/30

kumonosuke

2
石油、ガス等と同じく食糧は日本にとっての国民の命の綱という認識を新たにして、中長期戦略で対応すべき最大関心課題と理解している。これは他国の戦略に絶対に組み込まれて良い問題ではない。他国は基本的には日本国民を大切ししようとは優先的に考えてくれるところはどこも無いはず。2014/02/06

koji

2
共同通信社1地方支局長が書いたとは思えない(失礼!褒め言葉です)「奥深さ、幅広さ、ジャーナリストの矜持」を感じさせる農業に関する福音の書です。農業は、以前は私の仕事(商工業系金融)では食品加工業で一部接点があったぐらいでしたが、最近は6次産業化等関心を向けざるを得なくなってきました。そうなってくると、ステレオタイプの議論による通り一遍の知識では物足りなくなってきました。そこに現れたのが本書で冒頭の賛辞に繋がります。また日本のTPPへの4つの課題(特に交渉力)の提示等、米国農業の解説に止まらない所も魅力です2014/01/04

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