内容説明
定年を目前に妻子と別れ、ひとり軽井沢の陋屋(ろうおく)に移り住んだ中里太郎。寂寞に包まれた生活が揺れ動きだしたのは、向かいに暮らす変わった年寄りを「老猿」と名付けたときからだった。老猿、そして瀟洒な別荘で愛人生活を送る中国女の正体は。奇妙な隣人と共にいつしか日常を逸脱した中里は、思わぬ地へと向かう。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
T. Mu
7
藤田宜永さん、やっぱりいいなぁ❗️最近知った作家さんなのですが、はまってます🎵 還暦間近の男が、波瀾万丈の日々を送ることに(笑)ある意味憧れる❗️ ストーリーと人物造形がとても素晴らしいと思います👍4.52023/01/08
オオイ
3
ホテル勤務をリストラになって軽井沢の別荘地に住み始めそこで知り合った老人と中国人女性との恋愛・トラブルを老人の人生を絡めて上手く書いてあった。2019/07/24
matsu
3
定年間際にリストラされた男の、雪深い別荘地での隣人達との日々を淡々と描く五百数十ページ。手に汗握るような展開もなく、しかし読ませてしまう。しばらく恋愛小説に行っていた藤田宜永がミステリーに戻ってきた感じで嬉しい俺だ。「人生の3分の2を過ぎて…」という記述にハッとする。あぁ、そうか。定年で人生終わるわけじゃない。そりゃそうだな。まだまだ、ずいぶんとこの先人生楽しめそうな俺でもあるのだ。2013/12/02
wankousan
1
前半と後半で違った面白さが味わえる。恋愛とサスペンスがうまく融合されてストーリーの流れも良かった。さすがに後半はもう少しまとめてページ数を減らした方がより読みやすかったように思う。2019/03/21
ふる3
1
退職し軽井沢に住む男と、近所に暮らす偏屈じいさんと、中国人女性たちの不思議な触れ合い。モテるおじさん小説+じいさんの過去。意外と奥深くて堪能。2017/09/11