内容説明
北関東のとある町にある、外国人向けアパート「ランタン楼」。無職の青年・瑞輝は祖母の入院により、彼女が経営するランタン楼の大家となる。瑞輝は昔から入居者のトラブルが絶えないアパートの歴史に怯えつつ、しぶしぶ大家業をこなしていく。住人を訪れた客の失踪、倉庫として貸していた部屋の泥棒騒ぎと、住人たちの問題と対峙し、彼らの窮状を解決するために奮闘する瑞輝にも、やがて大きな変化が訪れる――。ランタンが灯る古い洋館風のアパートを舞台に、異国の地で懸命に生きる人々との交流と瑞輝の成長を、優しく綴った連作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユメ
39
本屋さんで見かけた「人付き合いに疲れた方へ」というPOPが気になった本。それを念頭に読んだら、正直、最初は困惑した。祖母から外国人向けアパート・ランタン荘の大家を受け継いだ瑞輝。言葉や宗教、文化の違いは埋められない深い溝として瑞輝と住人たちのあいだに横たわり、トラブルも続出する。しかし、読み進めるにつれ少しずつわかってきた。ランタン荘の人間関係には、上辺だけの愛想笑いも社交辞令も存在しない。ここでの意思疎通は常に素手で手さぐりだ。なるほど、これは人付き合いの疲れに効くかもしれない。直球ではなく、変化球で。2017/02/14
myunclek
37
何だか憂いがあって、とても懐かしいような気分にしてくれる小説でした。吉永南央、初読みでしたが好きなタイプ。北関東が舞台ということですが、イメージ的にはアパートが洋館だということもあり、横浜か神戸の下町をイメージしてしまう。厄介な住民に囲まれながらながらも、大家業が生きがいになっていく瑞輝の奮闘に少し共感できました。2014/07/17
み
28
もっと軽い感じかと思ったよ、表紙がねぇ^^;単行本の表紙の方が合ってそう。瑞輝さんの成長話しとしても、家族&親戚&ご近所さんのキャラも好きなんだが、お話しが重めでモヤモヤ…。ジャケは大事よね。楽しめなかった訳ではありません♪2015/10/04
ジュール リブレ
19
文庫でカバー付きで借りたので、この表紙には思いっきり違和感〜。北関東の町の日本人お断りの下宿屋の設定。不思議な香りのする一冊でした。2014/02/07
kochi
18
大学卒業後、弁護士浪人を続ける瑞輝は、祖母の経営するアパートを手伝う事になるが、そこの住人たちは外国人ばかりで、言葉も怪しかった… 外国人が多く、周囲からも胡散臭いと思われている「ランタン楼」。出身国も様々な男女たちとのトラブルや家賃回収に苦しみながら、青年瑞輝が地域に馴染んで、地元の人々との関係を築きながら、自らの人生を見出していく様を描いたミステリー風の連作短編。著者の「紅雲町シリーズ」と共通して、どこか暗い、やりきれない雰囲気があり、犯罪も絡んでくるのだけど、さらっとした人間関係が、意外と心地よい。2020/05/23
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