内容説明
鳥羽・伏見の戦いに大敗し、260年間続いた徳川幕府が瓦解すると、徳川家の血族である親藩でさえ薩摩・長州を主体とした新政府軍に屈服した。しかし、会津藩だけは幕府の名誉と武士道の真髄を護るために最後まで抵抗し、勝利なき戦いを挑んだ。その悲劇は、3000人以上の屍と北辺の斗南移住だけでは、終わらなかった。会津藩は、藩祖保科正之の時代から勤王の志があつく、その政策は一貫して公武一和であった。しかし、戊辰戦争において受けた「朝敵」「賊軍」というそしりは、明治期になってもすすがれることはなかった。会津藩士と会津人が貫いた「義」と守り抜いた「誠」に迫る!
目次
第1章 会津藩を超越した「天空海濶の人」 山本覚馬の生涯(生誕―会津藩砲術師範の家に生まれ、あらゆる武術に精進した 若き日の江戸遊学―佐久間象山に入門し西洋兵学を学ぶ ほか)
第2章 松平容保の生涯
第3章 会津戦争を戦い抜いた不屈の男たち(西郷頼母―徹底した非戦論を主張し波瀾の生涯を送る 田中土佐―会津城下に西軍が侵攻する渦中で自刃した名門家老 ほか)
第4章 幕末・明治を生きた会津藩の男たち(外島機兵衛―沈着冷静な実力派公用人 手代木直右衛門―新撰組を指揮した交渉人 ほか)
第5章 ドキュメント 会津白虎隊の戦い