内容説明
蝶コレクターの龍崎はル・シャスールに、新種の蝶について書かれた『ニューギニアの動物界』を入手したいと依頼する。ル・シャスールは緑川守という少年を訪ね、守の亡き母が遺した『ニューギニアの動物界』を譲るようにお願いする。守は了承するが条件をつける。その条件とは、龍崎への復讐を意味するものだった――。その他、ド・ゴール暗殺計画、フリードリヒ大王の『七年戦争史』にまつわる謎などをル・シャスールが読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
44
『旧式の陥穽』はまさかの銃撃戦に驚きましたが、毎回、現在とも地繋がりであるがゆえに繰り返す危険性を秘めている歴史的事象に肝を冷やします。しかし、情報を提示せず、書物を蔑ろにしたり、姑息な手段を取る輩には徹底的に容赦ない書物狩人ですが、『魅せられた人々』や『天はみそなわす』ではか弱き人のための優しい心意気や人間性が垣間見えてほっと一息つけます。個人的には『天はみそなわす』で登場してきた、メフィストフェレスのような小男さんが好きです^^2013/11/19
ソラ
36
上質の短編集、めちゃ面白かった。書物を通して隠れた歴史の一端に触れていくスタイルがぞくぞくする2015/06/24
みっちゃん
20
ル・シャスールは女性と子供にはとても優しい。特に「魅せられた人々」「天はみそなわす」では、読んでいて気恥ずかしいくらい笑。でも映像化したら面白いだろうな。「狩られた狩人」ではうまく騙された!今作もとても面白かった!2015/02/04
桃水
18
2013/06/18:購入しようと思ったときに書物輪舞をすっとばしていることに気づきorz それはさておき、今回も面白かったです。2013/06/16
ちゃちゃ
17
(図書館のせいで,もう,順番ばらばら。でも,後書きにそれでもいいってかいてあったから,いいということにしよう。個人的にはここまで順番無視はあり得ない事態)今回の四遍もとても素敵でした。特に一話目が。これは,絶対,少年と蝶の組み合わせでなくてはいかん!と思いました。2014/02/23