新潮選書<br> 私たちはなぜ税金を納めるのか―租税の経済思想史―

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新潮選書
私たちはなぜ税金を納めるのか―租税の経済思想史―

  • 著者名:諸富徹【著】
  • 価格 ¥1,232(本体¥1,120)
  • 特価 ¥862(本体¥784)
  • 新潮社(2013/11発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106037276

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内容説明

市民にとって納税は義務なのか、権利なのか? また、国家にとって租税は財源調達手段なのか、それとも政策遂行手段なのか? 17世紀の市民革命から21世紀のEU金融取引税まで、ジョン・ロックからケインズそしてジェームズ・トービンまで――世界の税制とその経済思想の流れを辿り、「税」の本質を多角的に解き明かす。

目次

第1章 近代は租税から始まった―市民革命期のイギリス
第2章 国家にとって租税とは何か―十九世紀ドイツの財政学
第3章 公平課税を求めて―十九・二十世紀アメリカの所得税
第4章 大恐慌の後で―ニューディール税制の挑戦
第5章 世界税制史の一里塚―二十一世紀のEU金融取引税
第6章 近未来の税制―グローバルタックスの可能性
終章 国境を超えて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

16
家産国家→租税国家へ、官房学→財政学へ(24頁)。 租税とは、国家が市民に提供する生命と財産の保護の便益 への対価(26頁)。 1643年消費税も重要だが、直接税が所得税へと 発展していく過程に注目(37頁)。 アダム・スミスは、「労賃の引き上げが実現しないなら、 貧民が困窮状態に置かれ、その家族を扶養する能力は 低下して労働供給は低下してしまう」(51頁)。 今の世の中でも通用するのではないか。 ドイツ財政学の三巨星、シュタイン、ワーグナー、シェフレ(67頁)。 2014/04/10

kawa

11
17世紀のイギリス・市民革命から、ドイツ、アメリカ、EC金融取引税まで、近代から現代400年に渡る租税経済思想史。金融取引税の狙いなるほどと思う。恩師が納税は国民の権利だと主張され租税法理論を展開されていたが、恥ずかしながら、本書を読了してその全貌というかアウトラインを知った。各々の記述、興味深い。19世紀アメリカの所得税導入と憲法改正を巡るタフト大統領とオルドリッチ上院議員の攻防は特に印象的。どなたかフィクション、ノンフィクションどちらでもよいので描いてくれないかなあ。2017/03/05

ケニオミ

10
税についての本は今までほとんど読んだことがありませんでした。税について白紙状態で読む本としては最適の本だと思います。主要国でどのように税金が導入されていったのかがよく分かりました。やはり戦費調達のためというのが一番の理由でしたね。お国柄によって国と国民との関係をどのように考えるのかについては、本書の最も魅力的な部分の一つだと思います。明治期の日本が、国家と国民との関係をドイツに学んだことが、国家の破滅をもたらした要因の一つなんて驚きです。現在の法人税の引き下げ競争が招く未来にもう頷けました。お薦めです。2013/08/09

ミヒャエル・安吾

6
国家とは何か?それは「徴税権」と「警察」である2017/02/22

朝ですよね

4
なぜ税金を納めるのか。①イギリスの市民革命及び古典経済学の文脈から見た「権利」。②ドイツ財政学の文脈から見た再分配等を含めた社会政策のための「義務」。③政策手段としての租税。2023/10/25

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