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内容説明
これからの時代、経済成長を追い求めるだけで私たちは本当に幸せになれるのだろうか? 貧富の差の拡大、長時間労働、物質的には豊かでも精神的には満たされない暮らし、金融危機、環境破壊など経済成長だけでは解決できない難問が社会には山積している。いまこそGDPを上げるのみの成長至上主義には別れを告げ、「人間の顔をした資本主義」を目指すべきではないだろうか?経済の本来の目的は、「最大幸福を、最大多数に、できるだけ長期にわたってもたらすこと」。そこから導かれる真に豊かで持続可能な社会を創るための実践的処方箋は、ポスト3・11時代を考える上でも示唆に富む。ドキュメンタリー監督と経済学者が贈る21世紀型経済論。
目次
GDP 国内総生産
幸福の追求
人々によい生活を提供する
膨大なコストをかけても不健康
暮らしの不安
時間に追われる
最大多数にとっての幸福
能力(キャパシティ)の問題
持続可能性
アメリカ経済の歩み
よい時代がいつなぜ悪くなっていったのか
住宅、銀行、融資、借金、破産、差し押さえ、失業、通貨…収拾のつかない混乱
二一世紀の経済―生命と自由と幸福のための経済
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
清游@草ぶえの丘で森林浴♨︎
24
各国ともに間違った指標を目で追ってないかい? 本書にも『安心感』こそが 「リスクを取ること」「自由」「個人主義」など の基盤とあります。同意2020/05/31
やまやま
7
環境経済学の視点で社会的公正・公平について論評があります。最大多数にとって最大幸福が維持されることが望ましいという概念は理解しやすく、日頃は基本的に私も願っています。ただ、同時にロールズの第二原理が適用されるべきとも考えますので、提示された社会的政策は同意できるものも多い一方で、論理的な道筋は若干著者とは異なるかもしれません。フットプリントなど、環境評価技術も参考になりました。ニクソンの環境規制に関する経緯はなかなか面白く読め、保守派の環境擁護論者の心意気を感じたところもありました。2019/05/06
tkokon
6
【うーむ】経済成長がもたらす弊害については、かなり包括的、かつ具体的に述べられている。「GDPがあるレベルを超えると幸福度が増えない、というのはこういう症状が出るからだ」というのはよくわかった。ただ、代わりになる案が見つからない。本書でもいくつか提言が出てきているが、正直「確かにこれなら!」というものはなかったような。(Kindle)2013/12/22
ひろっぴ
5
一・二章では、現代のGDPに対する過剰な偏重への警鐘が述べられており、これに関しては大変勉強になりました。GDPでは計算されていない大事な要素がたくさんあることがわかります。一般的な風潮として、そうした長短をよく知らずにGDPがもてはやされる状況を危惧します。著者の主張としては、「そもそも、経済とは何のためにあるのか。」という原点を問い直すことであり、その答えとして「最大多数のための最大幸福を長期にわたってもたらす経済」を示している。2013/09/08
RmB
5
我々の生活は基本的に働く、稼ぐ、使うのサイクルでまわってると思う。しかし働いても稼ぎす少なく、使う前に借りていたりする。そして返すために働いて稼いでる。こんなことの繰返しが経済成長を支えているのなら、「経済成長って、本当に必要なの?」と言いたくなってしまう。もっと大切なものを忘れてしまったのではないかと思います。2013/09/04