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内容説明
徳川譜代の大名・井伊家に仕える大場家は、代々世田谷の地で代官職を務める家柄だ。代官として、井伊家の無理難題には応えなければならないし、それに対し領民からは突き上げられるし、その姿は、まるで現代の中間管理職である。井伊家の財政破たんの危機に際しては、世田谷の領民が供出金を出しあって支えたり、銃が足りないといえば、世田谷領民が最新式の銃を井伊家に寄付したり。まさに、世田谷領なくしては成り立たないほど、井伊家の江戸での生活を支えていた。そのまとめ役が、代官である大場家。幕末といえば、京都での志士たちの活躍が取り上げられることが多いが、江戸でも時代の荒波に翻弄されながら、毎日を必死に生きる人々がいたのだ。歴史上、無名の人々の視点から見た、もう一つの幕末維新史である。
目次
序章 桜田門外の変の衝撃―維新のはじまり
第1章 大場家と世田谷領―いくつもの顔を持つ代官
第2章 江戸の混乱に巻き込まれる―開戦危機
第3章 大場家御家断絶の危機―鉄砲を持った農民たち
第4章 関東の騒乱と世田谷―幕府の消滅
第5章 明治維新と大場家―消えいく江戸