内容説明
NHKスペシャルで大反響! 2012年8月に開催された、日本一過酷な山岳レース「トランスジャパンアルプスレース」に密着。富山湾から3千m級の日本アルプスを縦断し駿河湾までを8日以内に走る。標高差は実に富士登山7回分! 賞金・賞品は一切なし。テレビでは見られなかった秘蔵エピソードや追加取材を加えた、驚愕ノンフィクション!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
51
テレビで3回分を観ました。その後で読むとレースの選手、大会関係者、NHKクルーたちの苦労がより伝わってきました。この本を読むとTJARの成り立ち、運営、荷物から応援者がしてはいけないことなど、詳細がわかります。またテレビや2018年版では不明だった撮影クルーのことも判明。元選手がランニングクルーとして山岳地帯での撮影を担っている!絶対王者と言われる望月選手の荷物は他より多い。それは山岳救助隊員としてレース中でも怪我人発見時に対処できるように。登山者には必ず道を譲るのは大会の掟?睡眠不足による幻覚が怖い。2023/01/29
マリリン
33
本書は2012年のレースの模様が書かれているが、完走できなかったものの、女性が一名参加。富山~静岡間415kmを走破するこのレース、山岳レースのイメージが強いものの、半分以上はロードだという事は知らなかった。予筆記試験もあり、山に対する知識も問われ、前回筆記試験で落ちたという選手もいる。走り始めた動機や、レースに出場した経緯等、興味深く読んだ。瀬戸際に立った時の人間の本能のすばらしさを感じたのは、全身雨に濡れ体温を奪われていると感じた時服を脱ぎ、自身の尿を持っていたペットボトルに入れ低体温症を防いだ話。⇒2019/04/21
けんとまん1007
30
テレビを見損ねて残念に思っていたが、本の存在を知って読んだ。ただただ凄い。レースに参加された方だけでなく、それを撮影した方もだ。どうやって撮影しんだろうと思うことが、よくあるが、それにしてもだ。選手のみならず、関係者それぞれの物語があって、とても感じ入るものがある。人はここまでのことができるのかということにもなるし、そこにいたるストーリー・思いの意味合いがいっそう深く感じるものがある。形は違っても、いろいろなところに、同様な流れがあるのだと思う。以前、山歩きをよくしていたので、その時のことを思い出した。2015/01/16
ガクガク
29
2012年8月に開催された「トランスジャパンアルプスレース」415kmを取材・番組化したNHKによる記録本。出場選手28人それぞれの8日間にわたる激走のドラマをリアルタイムに、また前後取材も含めて描くドキュメンタリー。フルマラソンまでは私も経験済みだが、それ以上のウルトラマラソンやトレイルランは未知の世界。選手がどんな思いで参加し、何を考えながらゴールを目指しているのか、一人ひとりの肉体的な苦痛だけでなく心の中にまで迫ろうとする。同時に取材班の極限状況の中での取材の苦労も語られていて興味深い。2013/08/25
やっちゃん
27
超人レースの認識だったけど意外にも参加者はメタボ対策で走り始めた普通の人が多く歳も若くない。幻覚が見えるまで追い込んだ登山は未経験だし危ないとは思うけどその先にある景色をちょっとみてみたくなった。制限時間ギリギリで歩く選手をみてこういう楽しみ方もいいなと思った。 2021/08/20