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内容説明
食の原型、神に捧げる神饌料理、料理技術に革命をもたらした精進料理、肉食を促進した明治の軍隊食、戦後の魚肉ソーセージ出現の理由など、時代ごとの食文化の転換点と歴史のかかわりを解明。発見の食文化史。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
14
古代から現代までの食文化史を複数テーマを設けて変遷を説明している。個人的には葡萄と葡萄酒の日本における受容、魚肉ソーセージの歴史辺りが興味深かった。2020/03/09
シルク
10
魚肉ソーセージ。ピンク色の、アレ。……ときどき無性に食べたくなる(´Д`) 薄く切って、炒飯。炒めソーメン。そー、んな魚肉ソーセージが生み出され、爆発的に広がる過程を描き出したのが本書後半。「……昭和二九(一九五四)年三月一日、アメリカによるビキニ水爆実験で、静岡県焼津市のマグロ延縄漁船・第五福竜丸が、被災するという事件が起こった。このためマグロの値段が大暴落するという事態に陥った。/そこで処分に困った安いマグロを、魚肉ソーセージとして大量に売り出したところ、これが爆発的な人気を得た。」(p.215)2018/07/10
kenitirokikuti
10
第7章 魚肉ソーセージの出現/魚肉ソーセージはカマボコを元に生まれた1950年ごろに作られ、1970年頃ピークに。コールドチェーンが普及するまで、常温保存可能な魚肉ソーセージは広く食された。その後はふつうの豚肉ソーセージが追い抜く。海外ではカニカマは一般化したが、魚肉ソーセージはほぼ日本独自。2018/07/16
壱萬弐仟縁
9
本膳料理は、武家社会で行われた料理様式(44頁)。懐石料理はこれが母体(45頁)。会席料理は、料理屋の席の予約では確かめられた日時(82頁)とはいえ、基本的にお金出せば好きな時にだれでも楽しめる。水車は、ローマ→西アジア→唐と東伝してきた(98頁)。碾磑(てんがい)による製粉技術が普及していく。日本でこの技術はまだまだであった。近世初期以後にようやく出てくるとのこと(99頁)。ワイン、そして肉食の歴史も言及。仮名垣魯文は知っていた(158頁)。今後食文化の衰退はTPPで確実に起きると想定できるのでは?2013/06/09
Lulo
2
初めの方の2章分くらいはあまりに興味が持てず、途中放棄しそうになった。しかし、牛肉による洋食化あたりから興味深く、びゅんびゅんと読んでしまった。食は、原料が地理的要因に左右され、調理法が文明の発達に左右される。また何を食べるかという決定において宗教や文化が作用する。だからこそ、日本という地域独自の食文化があったのだなぁ、と深く感じた。今後、服装や家など、ほかの、人々の生活に欠かせないものについても、歴史を学んでみたい。2018/06/13