内容説明
大学の自治会で忙しく働く毎日を送っていた青年・波多野ゆかりくんは、あるとき謎の白うさぎと出会いました。いきなり喋った彼もとい「うさぎさん」は、なんとその自慢の長い耳で人の『縁』の紐を結んだり、ハサミのようにちょきんとやったり出来るのだそうです。そしてうさぎさんは、ゆかりくんにもその『縁』を見る力があると言います。そうして二人は、恋人や親友、家族など様々な『縁』のトラブルに巻き込まれ……? 誰かの『ご縁』をめぐってゆかりくんとうさぎさんが大活躍!?とても愉快でちょっと切ないハートウォーミング・ストーリー登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
た〜
156
野崎まどは鬼才である。より面白い本、より感動的な本、より巧みな本はあるがそれでも野崎まどの本は特別なものがある。改めて実感した。2013/04/25
まりも
129
野崎まどが書いたとは思えない位ほんわかとした癒し作品。白いうさぎをパーカに入れて色んな人の縁を繋げたり切ったりする物語。恋愛、友情、家族の縁を繋げ最後は死んでしまった人の無念の縁を切る。展開も非常に王道的で毒の要素が全然見れない辺りこの野崎まどは綺麗な野崎まど。たまにはこういうほんわかした日常ファンタジーもいいのかな。ゆかり君の縁が繋がる日は来るのか。2014/07/03
ひめありす@灯れ松明の火
128
あーかわいい!!私もうさぎさんをぽふぽふしたいー!!一緒にDSしたりパーカーのフードに入れてお散歩したり、あまつさえ水炊き鍋を一緒に食したりしたいー!!5月のオフ会で『今度の野崎まどは可愛らしくてよいお話を書いたよ』と教えて貰ったので、ご縁が出来る日を楽しみにしていました。登場人物の天才性が薄れた上、野崎さんの軽妙洒脱な文章も相まって、「そだそーだ!!」と加勢しながら読みました。注連縄ばりのゴージャスな縁の紐……。色々大変だと思いますが、ゆかり君。縁の下の力持ちと言う事で一つ、三年生もよろしくお願いします2013/07/27
よっち
120
縁を結んだり切ったりするうさぎさんと出会い、人の縁が見えるようになってしまったゆかりくんが、周囲の人々の様々な縁と関わっていくお話。先輩の西印さんにいじられたり助力を得つつの大学自治会の仕事模様もなかなか楽しげでしたが、不器用ながらも素直で、困った人を放っておけないゆかりくんに好感。恋人の死から先に進めずにいた西院さんを動かすべく奮闘する話が個人的には好みでした。これまで読んだ著者さんの本とは大分イメージの違うほのぼのテイストなお話でしたが、これはこれでいいなと思いました。近く刊行される次巻も楽しみです。2014/09/09
Yobata
98
大学自治会員である波多野ゆかりは謎の喋るうさぎと出会う。そのうさぎは「縁」を司るものでゆかりはその手伝いをすることに。美術部の先輩に片思いする後輩との良縁,自転車同好会の友情の縁,運転免許試験で出会った母子家庭の母子の血縁,自治会の西院先輩の悪縁の4話。野崎まどさん、こんなほのぼの系も書くんだw特に最後に大どんでん返しがあるような話ではなく、人の繋がりを描くハートウォーミングな連作短編。縁を結んだり切ったりする使者であるうさぎさんは口調は重鎮だけど可愛らしいなwフードの中に入るうさぎさん見てみたいねw→2014/09/24