内容説明
日中・日韓関係は国境や領土を巡り、刻々と状況を変えてきた。最新の情勢を解説しながら、安倍政権への期待と懸念に触れ日本の進むべき道を提案する一冊。
目次
第1部 領土問題―二〇一二年外交敗北(尖閣問題―新たな戦争と平和の問題 竹島問題―共存の途の探求へ 北方領土問題―歴史的機会への遭遇)
第2部 歴史認識問題―再登場した諸問題(中国の場合―靖国神社と村山談話 韓国の場合―河野談話と慰安婦問題 台湾の場合―見落としがちな問題)
第3部 新しい日本の国家ビジョン(中華の世界をこえて―文明の創造者としての日本)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
83
前回の領土問題と歴史観の本を最近の状況に照らして書かれた一冊。著者の考えがよくわかった。元外交官の見解というのは国際情勢をよく見た現実的な考えだなと感じた。2013/04/22
安国寺@灯れ松明の火
22
2013年4月刊。日本が慰安婦問題で対応を誤れば、欧米諸国との間に深刻な対立を引き起こしかねない、という著者の懸念そのままに事態が悪化していて寒気がします。相手が何を問題にしているかを見極めずに主張だけしても、相手の考えや行動を改めることはできません。東京裁判でA級戦犯とされた祖父を持つ著者であっても、自分の感情は別として、冷静に論点を整理しています。最終章で書かれている日本のビジョンなどは少し毛色が違いますが、国際社会の現状を知る意味で、もっと多くの人に読まれてほしいと思います。2014/02/01
Noribo
7
著者は元外交官。2013年の書籍なので現在とは状況が異なるが、日本とロシア・中国・韓国間に横たわり続ける問題の大本を理解するのにとても有効だった。中でも日韓関係において韓国の日本への「恨(ハン)」感情が、①華夷秩序において「(韓国より下位の)東夷」の日本から受けた民族的な屈辱感、②日韓議定書で保証した韓国独立を反故にし、③併合時に弾圧し、④皇民化でアイデンティティを喪失させ、⑤皇民化が成功し優秀な韓国の若者が日本帝国の為に戦い戦死したこと、更に⑥戦後の南北分断、⑦朝鮮戦争勃発、等が大本だと改めて理解した。2023/09/09
ykoro
7
領土問題をFACTベースで見直すには、とても参考になった。やはり粘り強く「対話」「交渉」を続けながら、並行して、防衛力も固めていくというのが基本。感情的にならず、本当に何がしたくて、かつ、何ができるかを考える必要がある。勢いだけで進むと、昭和の戦争の再現になてします。ロシア、台湾との連携も重要で、こえも肝に銘じておくべき考え方。また、慰安婦問題は、海外の視点が異なり、歴史の観点ではなく、現在における「女性の権利」という軸で見ないと、完璧に、門外漢になってしまうことを、国民が認識すべき。2013/07/31
霜月ざら
7
納得出来るところも納得出来ないところもあったが、現在日本の抱えている問題がわかりやすく書かれていた。日本人の視野の狭さ、浅慮さを感じる。知らなかったでは済まされない事態になる前になんとかしていかないと…経済よりも国の在り方や他国との関係性が大切だと痛感した。最近の政治家の発言を聞いているとゾッとする。国民レベルを上げるにはどうすればいいのか、他人事ではなく一人一人が考えていかないといけないと思うのだが…2013/05/17
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