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内容説明
数学者は未解決問題を考える。いい難問こそ、新しい数学を創造する!数学の未解決の難問のうち、最も重要といわれる整数の理論が、ABC予想である。この証明を完成したといわれる、望月新一京都大学教授の500ページを越える論文がいま大きな話題を呼んでいる。ABC予想とは何か。果たしてこの数学の難問は証明されたのか。この数学予想の先にどのような数学的世界が広がっているのか。フェルマー予想、リーマン予想につながる未解決問題のインパクトとは――。注目のABC予想とその周辺をやさしく解説した道案内の書である。
目次
第1章 数学の予想とは<br/>第2章 素数と絶対数学入門<br/>第3章 abc予想の歴史<br/>第4章 多項式abc予想の証明<br/>第5章 楕円曲線と保型形式の古典理論<br/>第6章 整数abc予想の証明へ:絶対数学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kochi
18
〈図書館本〉数学における予想(ほぼ正しいと思われるが、まだ証明されていない問題)というものの解説から始め、京大の望月教授が2012年証明した(しかし、まだ検証中)と発表した「ABC予想」をできるだけ分かりやすく説明しているとのことだが、「楕円曲線のモジュライ空間」とか「保型形式」とかが出てくる5章になると歯が立たずで、なんとか片鱗でも掴むためにも一層の精進が必要f^_^; 素朴な疑問であるが、誰か真剣に望月論文をチェックしている人がいるの?数学やっている人って、すごく少ないのかも。2017/12/15
LUNE MER
15
先日のNHKスペシャルでは整数版のabc予想の話しか出てこなかったが、歴史的には多項式版の予想が先に登場し、証明もされている。整数版よりもステートメントの形がきれいであり、かつ多項式には微分もあるために高校数学の範囲で証明可能。これを使って多項式版のフェルマー予想が秒で証明出来るのは爽快。本書は望月博士の理論には踏み込まず、ひたすらabc予想そのものの紹介に勤めている。2022/04/12
LUNE MER
8
再読。ABC予想の主張は専門家でなくとも理解できる程度のものだが、ところでいったいどうしてこんな予想を思いついたわけ?という疑問に対し、整数版ではなくオリジナルである多項式版のABC予想(というか証明されているので定理)、そしてそれを使うと多項式版のフェルマーの定理があっさり解決するという風景を示してくれる良書。さらに、今回の望月論文で証明された内容では、「まだフェルマーの定理の簡単な証明を与えるものではない」と正確な事情も説明してくれている。(勘違いしてる記事が多いんだ実際…)。ガンガン読もうぜ!2020/04/11
LUNE MER
7
知名度は圧倒的に低いものの、この予想が正しければフェルマーの定理も(ある意味で)おまけのように数行で証明できてしまうなど、とんでもない破壊力を持った予想で、2012年に京大の望月教授が証明したとする論文を発表。しかし新たな数学的手法を開発・駆使しているためにまずその新理論の理解から入らなければならないというので現時点でもまだ査読中という状況。この新理論自体がこの予想の証明どころでなく整数論における怪物となり得るというとんでもない理論とか。…という名は体を表さないabc予想の解説本。
文章で飯を食う
7
一応、最後まで目を通したが、全く何もかも分からない。笑いたくなるほどだ。2016/04/25