内容説明
ブラックホールは、空間と時間の極限の研究で生まれた、現実離れした存在として考えられてきた。近づくものを何もかも吸い込み、目に見えない超然とした天体で、巨大なものは私たちの太陽の数百億倍の質量になるという。ところが近年の研究で、ブラックホールはただ物質を呑みこむだけでなく、それとともに凄まじいエネルギーを放出していることがわかった。そして、それによって、銀河や恒星の進化をコントロールしてきたらしい。この宇宙における生命の誕生にも、ブラックホールの存在が役割を果たしてきたといえるのだ。いまある宇宙を作り上げた、巨大な重力機械、ブラックホール。その研究の歴史と最先端科学を新たな視点から展望する、傑作科学ノンフィクション。
目次
暗黒星
永遠の地図
底にたどり着く一〇〇〇億通りの方法
10の30乗キログラムのゴリラの食性
バブル
遠くのサイレン
起源
壮大なもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
手押し戦車
15
ブラックホールは濃度の高いガスが取り巻いていてブラックホールのエネルギーにより周辺が活性化している、このガスの中から成分が混ざり合い結合して新たな恒星が生まれる。周囲のガスがブラックホールにすいこまれると、ブラックホールは質量を増し周囲をさらに活性化させて行く。ガスを燃料にしたり、材料を混ぜ惑星を作る。ガスを燃料にしたり惑星と言う生命を作り出すブラックホールは銀河の遺伝子を持った発電所の役割を果たしている。E=mc2のエネルギーを完全に使いこなす神秘の発電所。遺伝学とE=mc2の融合こそエネルギーの鍵2015/05/12
ぼのまり
2
星の光は何万年、何億年の彼方より降り注ぐ。言い換えれば、遠い星空を観察することは、宇宙創成の記録を読み解くこと。これまでは主にSFの世界で取り上げられたブラックホールについて、その生成メカニズムや宇宙創生のヒントを探る興味深い1冊。2013/05/20
メルセ・ひすい
1
物質を呑みこむだけでなく、凄まじいエネルギーを放出しているブラックホール。その研究の歴史と最先端科学を新たな視点から展望する、新進天文学者による傑作科学ノンフィクション。…天の川銀河の超重ブラックホールは、活動していないように見えるが実は最先端の観測から、二万五千年前に大量の物質を放出、さらに三百年前には膨大なX線を発した。これらの活動は銀河全体に大影響、生命を育む惑星の形成をも左右したのだ。X線天文観測の第一人者である著者は宇宙望遠鏡を駆使して何十億光年も遠方の銀河団を観測、その奇妙な特徴も発見している2013/05/14
黒豆
1
理論物理学、宇宙論が歴史的な経緯を含め身近な物を例えに分かりやすく記載されている、また最新の観測による知見や新たな謎など科学好きな人には楽しめる一冊。2013/04/02
memoma
0
文章の中でおそらく同じ現象と思われる事柄が異なる表現で繰り返し出てきているように思う。著者の癖か、翻訳書の性か。読んでいて混乱した。ともあれブラックホールが周囲に与える影響について、銀河の成長を食い止めたりだとか、恒星の生成を制限したりだとか、色々書かれていて興味深かった。2015/02/17
-
- 電子書籍
- ケン月影珠玉作品選(分冊版) 【第1話…
-
- 電子書籍
- 月曜日の花束【分冊】 4巻 ハーレクイ…
-
- 電子書籍
- プロポーズは古城で【分冊】 3巻 ハー…
-
- 電子書籍
- #エッジ~彼氏の女友達~(7) COM…
-
- 電子書籍
- 戦慄の魔薬<タイフーン>を掃滅せよ!(…