内容説明
菅原文子さんは宮城県気仙沼市で東日本大震災で被災され、津波でご主人と義父母を喪われました。被災当初その夫の行方がまったくわからず、悲嘆に暮れるなか、被災から一ヵ月半後に家業の酒店「すがとよ」を息子さんたちと再開します。「負げねぇぞ 気仙沼」と自身の筆でしたためたラベルは、復興のシンボルとして全国で話題になりました。それでも菅原さんの心の中にはポッカリ開いた大きな穴がありました。依然ご主人の行方がわからなかったのです。そんなとき、「恋文大賞」の存在を知り、まわりの勧めもあって、夫への手紙をしたため応募します。その一文が審査員の目に留まり、第二回「恋文大賞」の大賞受賞となりました。そして、震災から一年三か月が過ぎた頃……。本書は、そんな菅原文子さんの、震災から夫の帰りを待ちわびた日々を中心に、あの日起こったこと、復興への想いなどを綴った手記です。夫への愛、残された家族への想い、困難にもめげず生きていく姿には、まわりが教えられるものがあります。震災から二年目を迎えるこの三月、あらためてあの悲劇とは何だったのかを振り返る絶好の一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
篠田@書店員復帰を目指し中!
6
気仙沼で『すがとよ』という酒屋を営んでいるご主人が東日本大震災の時に津波にのまれ、行方不明になった。この本は奥さんの手記である。私が思っていた以上に被災地は過酷な状況だったようだ。心ない言葉をかける方、支える方などさまざまな方が居る。たくさんの試練が降りかかるなか、奥さんは負けずに息子さん達とすがとよを再建する力にこちらが元気をもらった。お酒のラベルの力強い字がすごく素敵。2013/05/04
gontoshi
1
東日本大震災の津波のもようと、その後の 前へ進んで生きて行こうとする状況が伝わって来ます。2019/10/06
ぶ
0
気仙沼でボランティア作業が終わると港近くのすがとよさんで冷たい甘酒を飲み、すぐ近くの亀の湯さんでお風呂に入るのが日課でした。いつも言葉を交わす奥さんの事情は知りませんでした。3月3日NHKスペシャル「黒い津波」を見るまでは。5月19日に新しいお店に行ってきました。甘酒を飲みお店にあったこの本を買いました。奥さんの筆の一言とサインももらいました。読んでいて涙が滲むのを止めることができませんでした。こういう想いを内に秘めた方だとは全く気がつきませんでした。津波の真実を知るのに最適な本だと思います。2019/06/04
みさ
0
とどまることなき様々に ただひたすらに暮らしゆく 我が道を 2018/11/29
-
- 電子書籍
- FLASHデジタル写真集 本郷柚巴 S…
-
- 電子書籍
- 僕だけがいない街【タテスク】 Chap…
-
- 電子書籍
- 日本の運命 - 暗黒の30年がやってくる
-
- 電子書籍
- 現実主義勇者の王国再建記 6 オーバー…
-
- 電子書籍
- 1億円の花嫁