内容説明
東大安田講堂、あさま山荘、ひめゆりの塔事件で過激派集団と対峙してきた著者が、今まで記してこなかった「よど号&ドバイ・ハイジャック」「シンガポール・シー・ジャック」事件等での対決の日々を描く。「外事警察」はいかにして「70年代の危機」を乗り越えていったのか。「ミスター危機管理」最後の闘い。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomoichi
19
よど号事件に始まる日本のハイジャック事件。捜査側から外事警察と日本赤軍との戦いを回想する。子供の頃警察官の父親がテレビに映る三木武夫と福田赳夫を罵倒していましたが本書を読むとよくわかります。この二人がある意味赤軍の跋扈(テロ輸出)と日本の信用を失墜させた元凶。自民党を含む政治家や外務省を筆頭に困ったちゃんが国を誤る原因であることよくわかる。日本で発生したハイジャック事件一覧を見るとよくこれだけ発生していて予防措置をしていなかった航空業界にも驚きです。2018/02/19
ようはん
17
70年代をリアルタイムに生きていない自分にとって日本人のテロリストが世界各地でハイジャックや大使館襲撃等を引き起こしていた事にピンとこなかった。しかし日本赤軍の要求に従い人質と引き換えに仲間が釈放され、その仲間や逃走に成功したテロリストが次のテロを起こすというのを繰り替えされたのは呆れる。2022/07/07
ネコ虎
9
警察・外務の上級職、政治家等みんな無責任・逃げ腰・間抜けのオンパレード。佐々氏が怒り狂うはずである。特に警察部内の事件主管押付けのための縄張り争いは醜い。今でもそうなんだろうか。又危機に対処する法整備が後手後手に回る。だから余計に逃げるのだ。こんなことでよく日本国家が務まるものだ。少数の気概を持った人々の活躍が支える。しかし、逃げ回る無責任男のほうが出世するのだから皆右へ倣えと逃げるのだ。この本での最低役人は、シンガポール事件時の全くやる気のないK公使。恐らく出世したろうが実名を出してほしかった。2018/03/01
sasha
3
安田講堂やあさま山荘を描いた著作に比べると臨場感に乏しいのが残念。「よど号」から始まる日本赤軍によるハイジャック史として読むならいいかも。巻末のハイジャック事件年表は資料として使えるかも。佐々さんもお歳なのかな。近年の著作は回想録の観が強くなっている。2013/05/26
茶々太郎
3
ノンフィクションであるということで内容に関してはコメントしないが、妙に説教臭い文章が、やや鬱陶しい。教訓めいた標語もどきを使いたがるあたりも含め、著者も老けたな、と思ったりする。2013/05/08